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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日韓大陸棚での石油試掘開始についての中国政府声明

[場所] 
[年月日] 1980年5月7日
[出典] 日中関係基本資料集、546頁.
[備考] 
[全文]

 中国政府は七日、声明を発表し、日本政府が南朝鮮当局とともに東海大陸棚において一方的に「共同開発区」を決定し、ボーリング試掘を始めたが、これは中国の主権を無視し、中日友好関係を重視しない行為であると表明した次の声明を発表した。

 中華人民共和国政府声明(一九八○年五月七日)

 知り得たところによると、日本側は五月初め、いわゆる「日韓大陸棚共同開発協定」が一方的に画定した「共同開発区」西側においてボーリング試掘を行っている。中国政府はさきに何回も厳しく声明し、大陸棚は陸地領土の自然延長であるとの原則に基づき、中華人民共和国は東海大陸棚に犯すべからざる主権権利を有することを述べた。

 東海大陸棚のその他の国家にわたる部分は、道理からして中国と関係国家が話し合いを通じて区分すべきである。日本政府は、中国にかくれ南朝鮮当局と「協定」を結び、一方的にいわゆる「共同開発区」を画定した。これは中国の主権を侵犯する行為である。中国政府はこれに絶対同意できない。中国政府がたびたび表明した厳正な立場と反対意見にもかかわらず、日本政府は一方的な行動をとり、いままたボーリング試掘を開発し、実際的な開発活動に入った。中国の主権を無視し、中日友好関係を重視しないこのような行為は中国政府と人民の関心および憤激を引き起こさないわけにはいかない。日本政府が中国と協議することなく、中国にかくれて南朝鮮当局と調印したいわゆる「日韓大陸棚共同開発協定」は完全に不法で、無効であることを中国政府は重ねて鄭重に声明する。中国政府はわが国の主権と重要な利益を侵犯する行動を黙視するわけにはいかない。いかなる国および私人も同「協定」が一方的に画定したいわゆる「共同開発区」内で開発活動を勝手に、あるいは共同で進めるなら、これによって生ずる一切の結果について責任を負わねばならない。中国政府は同区域に対する一切の当然の権利を留保する。