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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 釣魚島領有権に関する宇野外務大臣発言についての邦字紙報道に対する外交部スポークマン談話

[場所] 
[年月日] 1989年5月11日
[出典] 日中関係基本資料集 1949年−1997年,748頁.
[備考] 
[全文]

 外交部スポークスマンは十一日の記者会見で、記者の質問に対して、次のように述べた。

 釣魚島などの島嶼は昔から中国の領土であるというのが、中国政府の一貫した立場である。もちろん、われわれは日本側にも日本側の主張があることを知っている。だからこそ、中日双方はこの問題を棚上げにして将来話し合うことで合意したのである。私の知っているところでは、宇野外相はこのほど北京に立ち寄って銭其●{王ヘンに深のつくり/シン}外相に訪ソの状況を通知した際、一言もこの事に触れなかつた。

 これは日本の新聞報道に、宇野外相がソ連の指導者ゴルバチョフに対して、釣魚島には棚上げという事実はない、すでに処理されていると表明したとあることについてコメントを求められたものである。

           (一九八九・五・十二、人民日報)