[文書名] 六・四事件についての宇野総理の記者会見での発言
(イ)、軍の実力行使により多くの人命が失われるという痛ましい事態は、人道上許し難い行為であり、誠に遺憾。また、その後の中国政府による学生・一般市民に対する取締りの強化と処罰は、それが体制を異にする中国の国内問題であるとしても、民主主義を標榜する我が国の価値観とは相容れないもの。
(ロ)、今回、中国において新しい指導部が成立したことは、中国の国内情勢が一応収拾の方向に向かっていくことを示唆していると思われるが、中国政府が、その国際社会に占める地位、とりわけアジア・太平洋地域において果たすべき役割の重要性を十分認識し、国際世論に耳を傾け、協調と自制の姿勢で国政の運営に当るよう期待。
(ハ)、中国は重要な隣国であり、対中関係は、我が国外交の重要な柱の一つ。我が国として如何なる対応を行っていくかについては、基本的に以上述べた認識を踏まえ、中国新指導部の姿勢をも慎重に見極めつつ検討して参る所存。