データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 北京市以外への渡航自粛勧告解除について

[場所] 
[年月日] 1989年8月18日
[出典] 日中関係基本資料集、756頁.
[備考] 
[全文]

1、中国への渡航に関しては、六月四日のいわゆる「天安門事件」に端を発した社会状況に鑑み、邦人の安全確保の観点から、六月七日付で、万やむを得ざる人を除き、当面渡航を差し控えることが望ましい旨の情報を発出したところですが、現在、右の状況は、北京を除けば、概ね平静化していることは承知のとおりです。従って、北京市を除く地域への渡航については、自己の責任と判断により、対処されて結構です。

 しかし、右は、北京市以外の地域への訪問を奨励し、安全を保証する趣旨ではないことはもちろんです。先般、北京市であのような事態が発生したことに鑑みれば、なお、現地の情勢及びこれと密接に関連する北京市の状況に、充分注意していただく必要があり、特に、中国にある我が在外公館から注意事項が発生される場合は、必ずこれに従うと共に、万が一問題が生じた際には、直ちに、最寄りの在外公館に連絡してください。

2、上記1の趣旨は、旅行業等多数の邦人の安全確保につき責に任ずる諸団体においては、特に周知徹底をお願いします。

3、北京市については、引続き社会・治安状況を注視することとし、状況が平穏に推移すれば、同様の情報を発出する予定です。

(本件に関する問い合わせ先)

 東京都千代田区霞が関二—二—一

 外務省領事移住部邦人保護課内

 海外安全相談センター

 電話・・(代)五八○ー三三一一(内)二三〇六

(直)五八一ー三七四九