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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第五回日中民間人会議開会全体会議における海部内閣総理大臣の挨拶

[場所] 
[年月日] 1990年9月3日
[出典] 海部内閣総理大臣演説集,329−330頁.
[備考] 
[全文]

 第五回日中民間人会議が開催されることになり,今日,ここにお見えになられた中国側代表団の方々を,心から歓迎申し上げます。

 このような盛大な会議が開かれるということは,日中関係が困難な状況を抜け出して,改善に向かおうとしている証拠であると考えまして,私はこの会議に大いに期待を寄せるものであります。

 両国の関係を,一日も早く旧に復することは,中国側の皆さまの願いであると同時に,われわれの願いでもあり,また,私も,ヒューストン・サミットをはじめ,様々な機会を通じて,この考えに立って,これまで最大限の努力を重ねてきたところであります。

 わが国は,政治・経済の改革と開放をすすめる中国の努力に期待をするとともに,協力することが重要であるという立場を持っております。

 また,この会議も,四つの分科会に分かれて,色々ご検討をいただくことになっていると聞いておりますが,政府としても出来うるかぎりこの会議の方向に注目をしてまいりたいと存じます。

 皆さまの忌憚のない有益な意見の交換によって,大いに成果があることを期待しますとともに,今回の成果をふまえ双方が努力を重ねていくならば,今後の日中両国の関係は,必ず一歩一歩前進していくものと確信いたします。

 私も,一昨年,二度中国を訪問して,ちょうどこの会議の第四分科会でお話し合いをされると伺っておりますが,教育改革,義務教育の問題について,ずいぶん中国側の関係の皆さんとお話し合いを深めてきたことを,今,思い起こしておりますが,両国の委員の一層のご努力によって,両国の関係が安定的に発展していくことを心から期待するものであります。皆さんの十分なご議論と実りある会議であることを祈念して挨拶といたします。