[文書名] 文化センターの設置に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定(中国との文化センター設置協定,日中文化センター設置協定)
文化センターの設置に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定
(略称)中国との文化センター設置協定
平成 二十年五月七日 東京で署名
平成 二十年六月十九日 効力発生
平成 二十年七月三日 告示
(外務省告示第三八五号)
文化センターの設置に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定
日本国政府及び中華人民共和国政府(以下「双方」という。)は、
千九百七十九年十二月六日に北京で署名された文化交流の促進のための日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定を想起し、
両国間の協力を発展させ、及び互恵的な関係の構築に寄与するため、人の交流を強化し、及び多種多様な文化交流を促進することが重要であることを認識して、
次のとおり認定した。
第一条
1 中華人民共和国政府は、相互主義の原則に基づき、日本国の独立行政法人である国際交流基金(以下「基金」という。)が、第三条に規定する目的を中華人民共和国において達成するための活動を行う文化センター(以下「日本文化センター」という。)を中華人民共和国の関係法令に従い北京に設置し、及び運営することを認め、また、基金によって与えられる日本文化センターに関連する任務を中華人民共和国において遂行するために日本国から派遣される職員を中華人民共和国の関係法令に従って受け入れる。
2 日本国政府は、相互主義の原則に基づき、中華人民共和国文化部(以下『文化部』という。)が、第三条に規定する目的を日本国において達成するための活動を行う文化センター(以下「中国文化センター」という。)を日本国の関係法令に従い東京に設置し、及び運営することを認め、また、文化部によって与えられる中国文化センターに関連する任務を日本国において遂行するために中華人民共和国から派遣される職員を日本国の関係法令に従って受け入れる。
3 双方の事前の合意に基づき、基金及び文化部は、相手国の関係法令に従い、1及び2に規定する都市以外の都市においても、それぞれ日本文化センター及び中国文化センターを設置することができる。
第二条
双方は、可能な範囲内で、かつ、それぞれの国の関係法令に従い、前条1に規定する日本文化センター、同条2に規定する中国文化センター並びに同条3に規定する日本文化センター及び中国文化センター(以下「文化センター」と総称する。)の自国における設置及び運営に関連して生ずる問題の解決のために協力する。
第三条
文化センターの活動は、文化、芸術、教育及びスポーツの分野における交流及び協力を促進し、当該文化センターが所在する国の国民にこれらの分野における自国の情報及び適当なサービスを提供することにより、両国の相互理解を増進し、及び両国の友好関係を発展させることを目的とする。
第四条
双方は、文化センターとその所在する国の関係機関、団体及び個人との間の協力が両国の相互理解の増進に寄与するものであることを認識する。
第五条
1 文化センターは、第三条に規定する目的を達成するため、その所在する国の関係法令に従い、次の非営利の活動を行うことができる。
(1)図書館、閲覧室、映画上映室その他の施設の設置
(2)自国に関する資料(教材、ポスター、画集、番籍、コンパクトディスク及びデジタルビデオディスクを含む。)の供覧、貸出し、複写その他の情報の提供
(3)各種文化活動の実施(講演会、公演、展示会、映画フィルム及びその他の視聴覚資料の放映、各種講座、シンポジウム及び両国民の交流に関する事業の実施を含む。)
(4)自国の言語、文化等の教育及び普及並びに研修活動の実施
(5)文化センターの所在する国の国民による相手国に対する理解の増進を目的とするその他の文化活動
2 文化センターは、1に掲げる活動を行うに当たり、その所在する国の関係法令に従い、実費を勘案して定める妥当な額の料金を徴収することができる。双方は、文化センターが営利事業その他金銭上の利益を目的とする業務を行うものではないことを認識する。
第六条
1 双方は、両国の国民が、それぞれの国の関係法令に従い、文化センターへの出入り及び文化センターによって実施される活動への参加を自由に行うことができることを確認する。
2 双方は、文化センターが、その所在する国の関係法令に従い、その活動に関する情報を当該国の国民に提供するとともに、あらゆる適当な広報の手段を活用することができることを確認する。
第七条
双方は、文化センターにおいて、その所在する国の国民が職員として雇用されることは、両国の相互理解の増進に寄与するものであることを認識する。これらの職員の雇用及び解雇は、文化センターが所在する国の関係法令に従って行われる。
第八条
双方は、それぞれの国の関係法令に従い、かつ、相互主義の原則に基づき、文化センターの職員並びにその配偶者及び未成年の子が在留許可の有効期間内において数次の出入国を行うことに関する申請に対し、好意的な考意を払う。
第九条
この協定の解釈又は適用についての意見の相違は、双方の協議により解決する。
第十条
1 この協定は、日本国政府が中華人民共和国政府からこの協定の効力発生のために必要な国内手続を完了した旨の文書による通告を受領した日に効力を生ずる。
2 この協定は、五年間効力を有するものとし、その後は、3の規定に定めるところにより終了する時まで効力を存続する。
3 いずれの一方の政府も、六箇月前に他方の政府に対して文書による予告を与えることにより、最初の五年の期間の満了の際又はその後いつでもこの協定を終了させることができる。
以上の証拠として、下名は、各自の政府から正当に委任を受けてこの協定に署名した。
二千八年五月七日に東京で、ひとしく正文である日本語及び中国語により本書二通を作成した。
日本国政府のために
高村正彦
中華人民共和国政府のために
孟暁駟
(参考)
この協定は、中国との間で、それぞれ相手国に文化センターを設置することを認めること、また、文化センターの活動内容等について定めるものである。