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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日中平和友好条約交渉(第7回会談−2)

[場所] 北京
[年月日] 1978年8月1日
[出典] 情報公開法に基づき公開された外務省資料
[備考] 
[全文]

極秘

総番号 (TA) R054902  5423  主管

78年  月31日23時20分  中国発

78年08月01日00時28分  本省着  アジア局長

外務大臣殿  佐藤大使

日中平和友好条約交渉(第7回会談)

第1465号 極秘 大至急

(限定配布)

往電第1464号別電

本日は二つのことをお話ししたい。今までの6回にわたる会談、特に28日の小数の会談によつて、問題のしよう点は、日本側案文の第3条第1文、すなわち「この条約は特定の第三国に対するものではない」という条文にあることが明白になつたと思う。この条文は、韓念リュウ副部長に御承知のとおり、日本の外交し勢、すなわち「現実にわが国に対して敵対的な行為を行なうような国を除きいかなる国とも出来る限り友好関係を保つて行く」というし勢から由来するものである。この日本外交の立場について、韓副部長が第2回会談で、日本の願望として理解すると述べられたことは、われわれの評価するところである。

日本がこの立場をけん持する限り日本としては、第3条第1文のような思想を条約の何れかの場所に入れることを必要とするわけであることはお分かりいただけると思う。

本件交渉に私が携わつて以来既に8ヵ月になる。その間種々のきよくせつがあつたが結局この度の集中的な交渉に入つたわけである。日本側は、総理、外務大臣の指示を得ては権を求めず、は権に反対であるとの二つの点を共同声明とほぼ同文で条約本文の中に書き入れた。日本側としては、出来るだけのことをしたと思うし、何とか条約をまとめたいと思う。

韓副部長はこの条約交渉には3年半以上も携われ、私以上にく労をなされているし、この条約の締結を望み、かつそれに努力されていることは私もよく分つている。この際、韓副部長にお願いしたいことは中国側より前に述べた日本の立場を考慮に入れた何等かのお考え、または示さをいただきたいことである。

第二にこれも前回の小数者会談で私より取り上げた点であるが、第3条以上の条文の討議の問題である。この問題を取り上げる理由は前回にも、ご説明したように一つは審議促進の見地からであり、一つは東京に報告して東京の考えを固めるためである。この問題に関し前回の会談で韓副部長は私の気持は十分理解できると言われたが、これらの条文の討議または問題点の指摘をされる考えは依然としてお持ちでないか今一度おたずねしたい。

(了)

写手交済(1日00時40分)