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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日中平和友好条約交渉(第16回会談)

[場所] 北京
[年月日] 1978年8月11日
[出典] 情報公開法に基づき公開された外務省資料
[備考] 
[全文]

極秘

総番号 (TA) R057715  5700  主管

78年  月11日14時08分 中国発

78年08月11日15時30分 本省着  ア局長

外務大臣殿  佐藤大使

日中平和友好条約交渉(第16回会談)

第1643号 極秘 大至急

(限定配布)

 11日午前10時20分より同55分まで35分にわたり、本件第16回会談が行われたところ、同会談における双方のやりとり次の通り。(出席者及び場所は第15回会談に同じ)

1.冒頭、本使より発言を求め、次のとおり述べた。

 第15回会談で述べたとおり、われわれに残された主要問題は二つある。第一の問題は、既に有名になつた「反対する」・「反対である」の問題である。この問題につき、日本側は中国側の意見に同意する。従つて、条文は「反対する」にする。

 第二の問題は、中国側から発言していただかなければならない問題、即ち、は権条項の第1文をどこに置くかという場所の問題である。

2.これに対し韓副部長は、次のとおり述べた。

 われわれは、日本側の提案どおり反は権条項第1文を単独の条項とすることに同意する。従つて反は権条項第1文は新しく第4条となる。昨日の中国側草案第4条「両締約国は、共通の関心を有する、または双方の利益にかかわる重要な国際問題について協議するものとする。」は削除する。もう一度くり返すと、反は権条項第1文の案文を新しく第4条にすることとする。

3.これを受けて本使より「従つて条約発効に関する条項は第5条になりますね。」と念を押したところ、韓副部長は、その通りであるとこれを確認した。

4.引き続き本使より、「私と韓副部長との間のし事は、これで全部済んだ。残された他の問題はドラフテイング・コミテイーに任せたい。」と述べたところ、韓副部長は、「結構である」と答えた。

5.次いで本使より、「日本側は、ドラフテイング・コミテイーのし事が全部完了するまで、外部に対し、条約交渉は終つたと発表しない。外部に対する発表は、同コミテイーのし事が済むまで待ちたい」と述べたところ、同副部長は、「中国側も同コミテイーの作業が終るまで、条約交渉が終つたと発表しない」と日本側の考えに同意した。

6.次いでオオモリ局長より発言を求め、別途電報のとおり、中ソ同盟条約に関する中国側の考えを質した。

7.なお、ドラフテイング・コミテイーは、本件会談終了後直ちにその作業を開始した。

(了)