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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日本國、伊太利國及獨逸國間議定書

[場所] ローマ
[年月日] 1937年11月6日
[出典] 日本外交年表竝主要文書下巻,外務省,379頁.
[備考] 
[全文]

昭和十二年(千九百三十七年)十一月六日 ローマにて署名

同年(同年)同月六日より實施

同年(同年)十一月一〇日公布

大日本帝國政府、伊太利國政府及獨逸國政府は共産インターナショナルか絶えす東西兩洋に於ける文明世界を危險に陷れ、其の平和及秩序を攪亂し且破壞しつつあるに鑑み平和及秩序の維持を念とする一切の國家間に於ける密接なる協力のみか右危險を減殺し且除去し得ることを確信しファシスト政治の創始以來不撓の決意を以て右危險と鬪ひ共産インターナショナルを其の領土より驅逐したる伊太利國は共産インターナショナルに對し同樣の防衞の意思を堅持する日本國及獨逸國と共に右共同の敵に當ることに決したるに鑑み

千九百三十六年十一月二十五日ベルリンに於て日本國及獨逸國間に締結せられたる共産インターナシヨナルに對する協定第二條の規定に從ひ左の通協定せり

第一條 伊太利國は千九百三十六年十一月二十五日日本國及獨逸國間に締結せられたる共産インターナショナルに對する協定及附屬議定書に參加す右協定及附屬議定書の本文は本議定書の附録として添附せらる

第二條 本議定書の三署名國は伊太利國か前條に掲けらるる協定及附屬議定書の原署名國と看做さるることに同意す本議定書の署名は右協定及附屬議定書の原本の署名に相當するものとす

第三條 本議定書は前記協定及附屬議定書と一體を爲すものとす

第四條 本議定書は日本語、伊太利語及獨逸語を以て作成せられ其の各本文を以て正文とす本議定書は署名の日より實施せらるへし(附録は前掲日獨防共協定及附屬議定書と同文に付省略)

(全權委員署名略)