データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日英定期協議共同コミュニケ(1964年)

[場所] 
[年月日] 1964年5月4日
[出典] 外交青書9号,25頁.
[備考] 
[全文]

 バトラー英国外相は、夫人を伴い、昭和三十九年五月一日から五月五日まで日本を訪問した。この訪問は一九六三年春のダグラス・ヒューム英国首相(当時外相)が東京を訪問したさい両国政府間で合意された日英定期協議の第二回会談のためである。第一回日英定期協議は昨年大平外相が英国を訪問して行なわれた。

 バトラー外相夫妻は、天皇・皇后両陛下から拝謁を賜わった。

 大平・バトラー両外相は、マレーシア、インドネシア、ヴィエトナム、ラオス、カンボディアを中心とする東南アジア問題および中国をめぐる情勢の発展等の広範な問題について討議した。これらの問題はバトラー外相が池田総理大臣を訪問したさいにも討議された。大平・バトラー両外相はこのほか東西関係、軍縮、サイプラス紛争および経済問題等の諸問題も検討した。

 これらの意見交換により、両国が共通の関心を有するすべての問題についての相互の立場の理解が促進されるとともに、各種の問題についての両国政府の見解がきわめて類似していることが確認された。両外相は、また、この日英定期協議が日英両国間の親善関係を維持し、かつ一層発展させる上で有益であることをあらためて強調した。

 大平・バトラー両外相は本日、日英領事条約に署名した。

 次回の定期協議は本年末頃、ロンドンで開催されることが合意された。