[文書名] 日英定期協議共同コミュニケ(1965年)
椎名外相は、日英定期協議の第三回会談のため、昭和四十年一月十四日から一月十七日まで英国を訪問した。
椎名外相は一月十五日英国のゴードン・ウォーカー外相およびジェイ商相と個別に会談して両国が共通の関心を有する広範囲な問題について意見を交換した。また、同日椎名外相は、ウィルソン英国首相を訪問して表敬した。椎名、ゴードン・ウォーカー両外相は、中国をめぐる情勢、東西関係、軍縮、東南アジア情勢、両国経済関係等の問題について討議した。椎名外相とジェイ商相との間の会談においては、英国の輸入課徴金、国連貿易開発会議、ケネディ・ラウンド等を含む国際貿易問題について意見の交換が行なわれた。その際ジェイ商相は、英国が直面している国際収支上の困難ならびに、これを克服するための短期及び長期の政府の方策について説明を行なった。
この機会に、閣僚級協議に先立ち、官吏級レヴェルにおいても各種の問題について協議が行なわれた。
今回の会談を通じ、両国政府が共通の関心を有する諸々の問題に関する両国政府の見解について相互の理解が一層深められたことが認められた。また今次会談が率直にかつ友好的な雰囲気で行なわれ成功を収めたことにより、日英定期協議が両国間の親善関係を維持し、さらにこれを一層発展させる上で極めて有益であることが、あらためて確認された。
次回の定期協議は本年内の、両国政府により同意される時期に東京で開催されることが合意された。