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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] クーヴ・ド・ミュルヴィル・フランス共和国外務大臣の日本訪問に関する日仏共同コミュニケ

[場所] 
[年月日] 1967年12月2日
[出典] 外交青書12号,26頁.
[備考] 
[全文]

 クーヴ・ド・ミュルヴィル・フランス共和国外務大臣は、三木外務大臣と日仏間の定期協議を行なうため、一一月二九日から一二月二日まで日本を訪問した。

 同外務大臣は東京滞在中、一一月三〇日に佐藤総理大臣と、また一二月一日および二日の両日三木外務大臣と会談を行なった。

 日仏両政府間の事務レベルの協議も行なわれた。

 この両国外務大臣の会談は、日仏定期協議の第五回会合であり、国際間の諸問題ならびに日仏両国間の関係について、極めて有益な意見の交換が行なわれた。

 両外務大臣は、東南アジアにおいて今日なお戦闘が行なわれていることに憂慮の念を表明し、このような戦闘を終結させ平和的解決をもたらすことが、世界の緊張緩和と平和の確立のためにも肝要であることを認めた。

 三木外務大臣は、日本政府が、東南アジア地域における安定と民生の向上に寄与するため、同地域の諸国との協力に多大の重要性をおいていることを説明した。

 両外務大臣は、これまでパリで行なわれて来た日仏貿易交渉で残された問題点が解決されたことを認め、本交渉の妥結が将来における日仏通商関係の拡大に貢献するとの確信を表明した。また、両外務大臣は、日仏両国経済界の指導者が相互に交流を行なうことが貿易拡大に寄与し、相互理解を深める上に有益であると認め、一昨年発足した日仏経済委員会が達成した業績について満足の意を表明した。

 両外務大臣は日仏文化混合委員会において、相互に日本研究、フランス研究を奨励するための措置が執られたことに満足の意を表するとともに、両国間における文化交流及び科学技術協力の緊密化の重要性につき意見の一致をみた。

 両外務大臣は、今後とも日仏両国間に生ずることあるべき諸問題を解決し、かつ国際間の諸問題について意見を交換するため、あらゆるレベルにおいて接触を強化する両国政府の意思を再確認した。

 両外務大臣は、次回の日仏定期協議を一九六八年にパリで開催することにつき意見の一致をみた。