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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] フランスの核実験計画に対するわが国の申し入れについて

[場所] 
[年月日] 1968年5月29日
[出典] 外交青書13号,77頁.
[備考] 外務省情報文化局長談
[全文]

 今般フランスは核兵器実験を行なう目的をもって南太平洋ムルロア環礁附近に危険水域を設定した旨,各国政府に通報してきたところ,日本政府は5月28日,在仏松井大使を通じ,フランス外務省に対し次の如き趣旨の申入れを行なった。

 日本政府は,周知の如く人類の生存と福祉の確保という人道的見地から,また軍縮とくに核軍縮の促進をはかるため従来より一貫してあらゆる核兵器実験に反対の態度をとっており,昨年太平洋ムルロア環礁において行なわれたフランスの3回にわたる核爆発実験に対してもくり返し実験中止の要請と抗議とを行なった。

 それにもかかわらず,今般フランス政府が昨年に引きつづき同環礁で核兵器実験を行なう旨決定し,昨年より遥かに広い範囲の危険区域への立ち入り禁止を行なうに至ったことはきわめて遺憾であり,日本政府はフランス政府に対しこの実験をとりやめるよう強く要請する。