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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 安倍外務大臣のブルガリア公式訪問に際しての共同新聞発表

[場所] ソフィア
[年月日] 1983年8月6日
[出典] 外交青書28号,463−464頁
[備考] 
[全文]

1.日本国外務大臣安倍晋太郎閣下は,夫人と共にブルガリア人民共和国外務大臣ペータル・ムラデーノフ閣下の招待により,1983年8月5日から8月6日まで同国を公式訪問した。

2.ブルガリア滞在中,日本国外務大臣は,ブルガリア人民共和国国家評議会議長トードル・ジフコフ閣下及び大臣会議議長グリシャ・フィリポフ閣下を表敬訪問した。

 日本国外務大臣は,日本国総理大臣中曽根康弘閣下からの挨拶を両閣下に伝達した。

3.両国の外務大臣は友好的,率直かつ相互理解の雰囲気の中で有益な会談を行った。両大臣は,両国関係が各種の分野において成功裏に発展していることを満足の意をもって留意し,その関係をさらに発展させるよう努力を払うとの決意を表明した。

 両大臣は,経済の分野における一層の関係拡大の可能性を認識しつつ,共通に関心のある分野において相互に有益な協力の発展のため,努力を払う必要性を強調した。

 また,両国関係の発展のため,文化交流の重要性が確認された。

4.両大臣は,共に関心のある国際問題に関し意見交換を行った。両大臣は,現下の国際情勢に憂慮を表明すると共に,国際の平和と安全の維持が世界のすべての国々にとって極めて重要であるとの共通の見解を表明した。

 両大臣は,また,国連憲章に規定されている通り,国際粉争は,平和的手段により解決されるべきであり,また国際社会において武力による威嚇又は武力の行使は慎むべきであるとの共通の信念を表明した。

5.両大臣は,日本国外務大臣の訪問中の諸会見及び諸会談で得られた積極的な成果に満足の意をもって留意し,今次訪問が両国の関係並びに相互理解の増進に貢献するであろうとの信念を表明した。

6.日本国外務大臣は,ブルガリア人民共和国政府から受けた極めて暖かい歓迎と接遇に対し,深い感謝の意を表明した。安倍外務大臣は,ブルガリア人民共和国外務大臣ペータル・ムラデーノフ閣下が訪日するよう招待し,この招待は快諾された。訪問の時期についてはおって合意される。