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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 我が国起源の核物質のベルギー王国における混合酸化物燃料への加工に関する日本国政府と欧州共同体委員会との間の交換公文

[場所] 
[年月日] 1997年2月10日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

我が国起源の核物質のベルギー王国における混合酸化物燃料への加工に関する日本国政府と欧州共同体委員会との間の交換公文

(日本側書簡)

 書簡をもって啓上いたします。本大臣は、ベルギー王国において予定される混合酸化物燃料(日本国に返還後日本国の商業動力炉において使用されるもの)の加工に関し、日本国政府の代表者と欧州原子力共同体(以下「ユーラトム」という。)を設立する条約の規定に基づいて与えられた権限及び管轄権を行使し、ユーラトムを代表して行動する欧州共同体委員会(以下「委員会」という。)の代表者との間で行われた最近の討議に言及する光栄を有します。

 本大臣は、日本国及びユーラトムのすべての加盟国が核兵器の不拡散に関する条約の締約国であり、国際原子力機関(以下「機関」という。)の文書INFCIRC-二五四-Rev・二第一部として公表されている核物質等の移転に関する指針に含まれる原則に従って行動することに留意し、また、改正された原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とフランス共和国政府との間の協定が効力を有していることを認識して、日本国政府に代わって次の了解を確認する光栄を有します。

1 ベルギー王国の領域において、

(1) 委員会は、附属書の1に掲げるプルトニウム及びウラン(以下「核物質」という。)が、欧州原子力共同体を設立する条約に基づくユーラトムの保障措置の適用を受けること及び千九百七十七年二月二十一日に効力を生じた、核兵器の不拡散に関する条約第三条1及び4の規定の実施に関するユーラトム、その加盟国である非核兵器国及び機関の間の協定の適用を受けることを確保するものとする。

(2) 委員会は、核物質が附属書の2に掲げる平和的非爆発目的にのみ使用されることを確保するものとする。

(3) 委員会は、核物質が附属書の3に掲げる施設(関係事業者が申告したもの)以外に配置されないことを確保するものとする。

(4) 委員会は、適切な防護の措置か、ベルギー王国政府により最小限機関の文書INFCIRC-二五-Rev・二第一部の附属書Cに掲げられる水準において、核物質について適用されることを確認する。

2 1(3)の規定にかかわらず、核物質は混合酸化物燃料の形態で、かつ、予定される移転を日本国政府に対し文書により少なくとも一箇月前に通告することにより、附属書の2に掲げるとおり、フランス共和国に移転することができる。

3 核物質は、委員会及び機関が1(1)において言及される協定の保障措置の終了に係る規定に従い、核物質が消耗したこと、保障措置の適用が相当とされるいかなる原子力活動にも使用することができないような態様で希釈されたこと又は実際上回収不可能となったことを決定した場合には、1の規定の適用を受けないものとする。

4 日本国政府及び委員会は、この書簡に関するいかなる問題についても、相互に受諾可能な解決を見いだすため、いずれか一方の要請に基づき、相互に協議するものとする。

5 この書簡のいかなる規定も日本国政府とユーラトムとの間又は日本国政府とユーラトム加盟国政府との間の協定で既存のもの又は将来締結されるものに影響を及ぼすものと解してはならない。

 本大臣は、更に、この書簡及び閣下の返簡が閣下の返簡の日付の日から、前記の了解についての日本国政府と委員会との間の合意を構成することを提案する光栄を有します。

 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。

千九百九十七年二月十日に東京で

日本国外務大臣 池田行彦

 駐日欧州共同体委員会大使 ヨルン・ケック閣下


附属書

1 核物質の明細

(1) プルトニウム

(i) 詳細

 日本国において照射された核燃料からフランス共和国において回収された総量四百八十三キログラムのプルトニウム(日本国の事業者が所有するもの)

(ii) 移転の予定

 二百二十一キログラムのプルトニウムが閣下の返簡の日付けの日の後千九百九十七年九月以前に、また、二百六十二キログラムのプルトニウムが同年三月の後千九百九十八年七月以前にフランス共和国からベルギー王国に移転される。

(2) ウラン

(i) 詳細

 総量三千八十八キログラムの天然ウラン及び同位元素ウラン二三五の濃縮度が天然ウランにおける混合率を超え十パーセント未満のウラン(日本国の事業者が所有するもの)

(ii) 移転の予定

 総量三千八十八キログラムのウランの二分の一が閣下の返簡の日付けの日の後千九百九十七年九月以前に、また、残りの二分の一が同年三月の後千九百九十八年七月以前に日本国からベルギー王国に移転される。

2 核物質の使用

 核物質は、附属書3(1)及び(2)に掲げる施設において、混合酸化物燃料の加工のために使用される。その後、当該混合酸化物燃料は、フランス共和国を経由して日本国に返還され、日本国の商業動力炉において使用される。

3 ベルギー王国における混合酸化物燃料の加工施設

(1) ベルゴニュークリア・デッセル

 デッセル市B-二四八〇ユーロパラーン二〇

(2) コムバスチブル・インターナショナル・フランコ・ベルゲ加工施設

 デッセル市B-二四八〇ユーロバラーン一二


(委員会側書簡)

 書簡をもって啓上いたします。本使は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを碓認する光栄を有します。


(日本側書簡)

 本使は、更に、欧州原子力共同体(以下「ユーラトム」という。)を設立する条約の規定に基づいて与えられた権限及び管轄権を行使し、ユーラトムを代表して行動する欧州共同体委員会(以下「委員会」という。)に代わって、閣下の書簡及びこの返簡が、本日から閣下の書簡に述べられた了解についての委員会と日本国政府との間の合意を構成することを確認する光栄を有します。

 本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。

 千九百九十七年二月十日に東京で

 駐日欧州共同体委員会大使 ヨルン・ケック

 日本国外務大臣 池田行彦閣下