[文書名] 日・EU定期首脳協議関連−テロに関する日・EU共同宣言
1.我々は、2001年9月11日に米国において行われたテロリストによる攻撃を国際社会全体に対する直接の挑戦として強く非難する。我々は米国民に対する心からの同情と連帯の念を重ねて表する。本件テロ攻撃の犯人、支援者及び共犯者は司法の場で裁かれなければならない。
2.国際テロとの闘いは、国際法、特に国際連合憲章に従った持続的な努力に基づかない限り、効果的とはならない。国際場裡においてより大きな協力関係を促進し、あらゆる既存の国際的なテロ防止関連条約を可及的速やかに発効させることが重要である。我々は、国際テロとの闘いにおける国連、特に安全保障理事会の役割を強調するとともに、あらゆるレベル−二国間、地域的及び国際的−での連帯を強化する必要があることを強く認識する。
3.我々は、テロと戦う米国及びその他の国の軍事行動に対して確固たる支持を表明する。我々は、我々が持てるあらゆる能力と手段を行使し、国際テロとの闘いにおいて米国を断固支持する決意をここに新たにする。
4.我々は、国連及びブラヒミ国連事務総長特別代表の活動を支援しつつ、アフガニスタンにおける和平の実現、実行可能な政治的解決、改善された人道的状況及び復興に向け積極的に協力を行う。我々は、テロに対する国際的連帯に参加する全ての国々の経済的及び政治的安定が極めて重要であると考える。この関連で、我々はパキスタン及びその他のアフガニスタン周辺国を支援する一致した取組に積極的に参画する。我々は、また、これらの国々がテロに対抗する国際的な取組の中で行っている価値ある貢献を確認する。
我々が検討している具体的な行動は以下を含む:
−アフガニスタンにおいて、正統で、幅広い基盤を有し、多民族からなる、人権の確立にコミットした政府の樹立を意図して現在行われている国連の努力を支持しつつ、アフガニスタン及びその周辺国の平和と安定を目指した政策対話と連携の強化
−アフガニスタン及び周辺国における難民及び避難民に対する積極的な人道支援実施に関する協力
−紛争後のアフガニスタン復興支援
−パキスタン及びその他のアフガニスタン周辺国に対する支援
5.我々は、特定の宗教とテロリズムとの間に如何なる関係もないことを強調するとともに、多様な民族と文化の間の寛容と理解を涵養し続けることが重要であることを再確認する。
6.我々双方は、既に、9月11日の出来事が世界経済に与える影響を最小限に抑えるために取り組んでいる。世界経済に対して重要な責任を有する日本とEUは、今後とも緊密に協議及び協力し、状況の変化に対応してそれぞれが適切な措置を講ずる。
7.我々は、テロに対する我々の共通の闘いを意味のあるものにするため、テロの防止及び根絶に向けて協力していくことを決意した。我々は、法の支配、人権及び公正な裁判を受ける権利を保証しつつ、我々の市民をテロ行為から守る決意である。我々は、それぞれが講じている種々の具体的な施策をともに検討した。我々は、「日・EU協力のための行動計画」に明示されているとおり、テロとの闘いにおける協議、協力及び連携を互いに強化する決意を表明する。