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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日・EU定期首脳協議における共同記者会見(小泉内閣総理大臣発言部分)

[場所] 
[年月日] 2001年12月8日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

冒頭発言

【小泉総理】 ヴュルホフスタット首相、プローディ委員長ほかEU側の方々には、土曜日にもかかわらずお招きいただいたことについて、感謝の意を表したい。今年は日・EU共同宣言採択から10年目であり、また「日欧協力の10年」の最初の年でもある。この年に広範にわたり率直にEU首脳と意見交換ができて良かったと思う。テロ対策、アフガン問題、中東情勢といった日・EUの双方にとって重要な地域情勢について意見交換ができたのは有意義であった。協議の大きな成果として、今後10年にわたる日欧協力の指針となるべき日・EU協力のための行動計画を採択し、またテロに関する日・EU共同宣言に合意した。これは、テロ撲滅に関する日本とEUの断固たる意志と決意、米国を含む国際社会との連帯を世界に示すものである。私としては、今回の首脳協議の成果をふまえ、日本とEUが、クロスサポートの考え方をすすめ、多面的かつ行動志向的な協力を行うことを推進してきたいと思う。

 とりわけ現在、アフガニスタン復興面に関する日EU協力が重要である。我が国は、先般ボンで行われたアフガン各派の代表者会議の結果、暫定政権の樹立に合意したことを歓迎する。今月のブラッセルでの会合、来月の日本での会合を成功させるべく、協力を行っていきたい。

 経済面では、世界経済が同時的に減速傾向を見せる中、世界経済の約4割を占める日本とEUの協力が重要であるとの点で一致した。日本が進める構造改革と規制改革、EUにおける統合と拡大・ユーロの導入は、日本のみならず、世界経済にも弾みをつける重要な問題である。WTOにおける協力、双方向の投資貿易拡大も重要であり、日本としては今後の欧州企業による一層の対日投資を歓迎したい。来年2月にプローディ委員長が訪日されることを日本としても大いに歓迎しており、その際に率直な意見交換ができることを期待している。

質疑応答

【記者】 今回のベルギー訪問に当たり、総理は今次協議を相対的には希薄であった日欧関係を強化する足掛かりにしたいと述べたが、会談を踏まえ手応え如何。

 日米基軸という日本外交の基本方針を踏まえて、今後日欧関係をどう築いていくのか。

 また、アフガニスタンに関し、和平面での協力、多国籍部隊の派遣などについての議論はなされたのか。

【小泉総理】 日EU協議は、非常に率直な意見交換ができて良かったと思うが、私とヴュルホフスタット首相とはジェノヴァ・サミットの際にも意見交換しており、既に大変な親近感を持っている。今次協議では、具体的問題に踏み込んで、日・EUのみならず地域問題についても意見交換ができ、日本とEUが共通の目標に向けて協力できる分野が多くあると感じた。これからも日・EU関係は重要である。日米関係が基軸であるが、それだけで成り立つものではなく、アジアとの関係や日・EU関係も、日本にとっても世界にとっても大切である。日欧協力の10年の間に、壮大な実験を進めているEUを見て、日本とEUの関係はますます重要になると思う。日本としてもEUから学ぶべきところがたくさんあり、お互い大きな経済力を持っている今日、いろいろな面で協力提携関係が深まっていくことを期待している。また、テロ問題についても、外交関係、資金凍結関係、さまざまな協力関係をすすめている。来年1月のアフガン会議についてもEUからできるだけ協力したいとの表明が今日の会議でもあったし、改めて協力の必要性を感じた。