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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 情報通信技術に関する協力についての共同ステートメント(第13回日・EU定期首脳協議)

[場所] 東京
[年月日] 2004年6月22日
[出典] 外務省
[備考] 外務省仮訳
[全文]

 日本とEUは、日・EU行動計画に従って情報通信技術の分野で協力を行ってきたことを想起しつつ、特に、「市民のための情報通信技術の質と利便性の向上」、「『すべての人のための包括的な情報化社会』の創出と情報通信技術の競争力、革新及び効果的利用の促進」、「インターネットの安全性の向上」及び「世界規模での情報通信技術環境の向上」という分野において、情報通信技術の一層の活用のために更なる努力を行うとの意図を確認した。

 日本とEUは、また「e-Japan戦略」及び「e-Europe」の下でのお互いの施策を通じて、構造改革、競争力、経済再生及び付加価値の創造といった課題に更に取り組むことの必要性を認識した。これを基礎として、日本とEUは、以下に特定されたとおり対話と協力の強化に取り組むこととする。

1.市民のための情報通信技術の質と利便性の向上{前23文字下線有り}

‐日本とEUは、行政手続及び公共サービスのオンライン利用を可能とすることについての良い事例を交換し、政府調達のための電子手続分野の国際標準化に向けて緊密に協力する。

‐日本とEUは、市民に直接関わる教育、医療サービス、高齢者介護及び家庭電化製品といった分野での情報通信技術の利用を促進するための方法について情報交換を行う。

2.「すべての人のための包括的な情報化社会」の創出と情報通信技術の競争力、革新及び効果的利用の促進{前49文字下線有り}

‐日本とEUは、すべての市民が、時、場所及び手段を問わず知識及び情報にアクセスできる「ユビキタス・ネットワーク社会」及び「すべての人のための情報化社会」を実現するために、最先端の情報通信技術の研究、開発及び採用のための意見交換を行う。

‐日本とEUは、企業、特に中小企業における情報通信技術の普及及びその効果的な利用の促進に関する互いの経験を共有する。

‐日本とEUは、情報通信技術産業の競争力の向上をもたらした公共政策に関する意見を交換する。

‐日本とEUは、プログラムの内容が公開されたソフトウェアの潜在的可能性、特に、これが技術革新を慫慂し、また、ソフトウェア市場における競争の促進を通じて消費者に裨益する可能性について、さらに、これが情報通信産業の構造と動向に与える影響について更なる探求を行う。

‐日本とEUは、配信されたデジタル・コンテンツの知的財産権の適切な保護と海賊版対策の重要性を認識しつつ、整備されたブロードバンド網を通じたデジタル・コンテンツの配信を促進する。

3.インターネットの安全性の向上{前16文字下線有り}

‐日本とEUは、情報のシステム及びネットワークの安全性とインターネット利用者の安全を確保するための展望及び政策的考慮を共有する。

‐日本とEUは、消費者の信頼及び事業活動にマイナスの影響を与える迷惑メールと闘うために、日・EU間及び多国間で協力し、また互いの迷惑メール対策についての情報を共有する。

4.世界規模での情報通信技術環境の発展{前19文字下線有り}

‐日本とEUは、2005年の世界情報社会サミットの第二段階における成功に向け、特に2003年のジュネーブでの世界情報社会サミットで合意された原則を具体的行動に移し、また、そこで合意された行動計画を実施するために協力する。日本とEUは、先のサミットで合意された原則についての議論を再開すべきではないとの考え方を共有した。