[文書名] 第5回「V4+日本」外相会合共同プレス・ステートメント
V4諸国及び日本(以下,「V4+日本」)の第5回外相会合は,2013年11月11日にインドのデリーにおいて開催された。各国外相は,「V4+日本」のパートナーシップが自由,民主主義,人権及び法の支配という共通の価値に基づいていることを再確認するとともに,2011年6月の外相会合以降の協力の進展及び本年6月のワルシャワにおける「V4+日本」首脳会合で採択された共同声明の実施状況のレビューを行った。会合では,以下の事項を中心に議論された。
I. 東方パートナーシップ諸国と西バルカンにおける協力
各国外相は,東方パートナーシップ対象国及び西バルカン諸国における進展について議論し,「V4+日本」の関与が当該諸国における持続可能な民主主義と市場経済の進展を支援するコミットメントを再確認した。これに関連し,日本は,東方パートナーシップ対象国及び西バルカン諸国における国際ビシェグラード基金のプログラムの関連するイニシアティブを完全に支持した。
政府開発援助(ODA)協力
各国外相は,ODA分野における協力の意志を再確認した。「V4+日本」は,特に西バルカン及び東方パートナーシップ対象国での開発協力に重点を置き,2013年11月6日にブダペストで成功裡に開催された「V4+日本」ODAセミナーを評価した。同セミナーの結果として,双方は,セルビアのエネルギー関連分野,セルビア,ボスニア・ヘルツェゴビナ,モンテネグロの中小企業の能力支援,モルドバの医療分野において日本が実施する開発プロジェクトに専門家を派遣することを決定した。双方は,西バルカン及び東方パートナーシップ対象国における「V4+日本」の最初の共同の開発協力プロジェクトにおけるV4各国専門家の関与を歓迎した。
東方パートナーシップ関連行事
各国外相は,東方パートナーシップ対象国における持続可能な民主主義と市場経済への移行に際するEUの東方パートナーシップの役割を強調した。各国外相は,当該国における民主主義,基本的自由,法の支配,改革進展の実現化,市場経済確立の促進などの分野において,「V4+日本」の活動を協調させていく意志を再確認した。日本はEUの東方パートナーシップ政策に対する支持を改めて表明した。双方は,11月28日及び29日にビリニュスで予定されている東方パートナーシップ首脳会議が成功裡に開催されることへの期待を表明した。
「V4+日本」は,双方の市民,とりわけ若者の間で東方パートナーシップへの関心が高まることの重要性を再確認した。
II 安全保障分野における協力
東アジアと欧州の相互連関する安全保障環境
各国外相は,6月の首脳会合において共有された東アジアと欧州の安全保障環境の緊密な相互連関を確認するとともに,引き続き各地域におけるそれぞれの安全保障上の懸念に対する相互理解を高める意志を表明した。日本は,国際協力の観点から,地域と世界の平和と安定にこれまで以上に積極的に取り組む決意であることを強調した。V4は,日本の地域や世界の安全保障問題,危機管理及び平和維持のために取り組むコミットメントを歓迎するとともに,安全保障分野において日本との協力強化を模索することへの関心を強調した。また,双方は,1982年の国連海洋法条約を含む国際的に認められた国際法の原則を重視することが重要であることにつき再確認した。この関連で,双方は,武器,汎用品及び技術の効果的な輸出管理を維持する重要性を確認した。
北朝鮮
「V4+日本」は,ウラン濃縮計画を含む北朝鮮の核・ミサイル開発計画に対して重大な懸念を改めて表明した。双方は,北朝鮮に対して,非核化に向けた具体的行動をとるとともに,関連の国連安全保障理事会決議及び2005年の六者会合共同声明を完全に遵守するように強く求めた。また,双方は,北朝鮮に対して,人権分野の懸念に遅滞なく取り組むよう強く求めた。
安全保障についての対話
「V4+日本」は,安全保障分野における相互理解の更なる促進のために,「V4+日本」の枠組みにおいて,安全保障分野に関する議論を強化することの重要性を確認した。
また,各国外相は,2014年に東京で開催される「V4+日本」安全保障セミナーを歓迎した。
日本は,欧州で東アジアの安全保障環境に対する理解を深めることを目的として,中央ヨーロッパで名高いフォーラムであるブラチスラバ・グローバル安全保障セミナーに,政府関係者を派遣する意図を表明した。
国連における協力
「V4+日本」は,安保理改革を重視しつつ,国連改革の重要性を改めて確認した。双方は,2015年に国連設立70周年を迎えることを踏まえ,今日の国際社会の現実を反映するために,実効性,透明性及び代表性を改善する必要性を改めて強調した。この点について,双方は,2013年6月にワルシャワで開催された「V4+日本」首脳会合でも確認された安保理常任理事国及び非常任理事国の双方の議席の拡大を含む安保理改革実現に向けて協働する意志を改めて表明した。
III 経済,エネルギー,気候変動分野における協力
各国外相は,成果重視の協力を発展させるとの共通目標の下,経済関係を強化していく意図を表明した。双方は,投資環境の改善,及び,適当な場合には科学的な観点に基づく日本とV4との貿易関係の促進を含めた,全般的な経済関係のさらなる強化の重要性を再確認した。
「V4+日本」はエネルギー安全保障における協力を強化する意志を表明した。日本は,東京電力福島第一原子力発電所事故から得られた知見と教訓を共有することにより,世界規模で原子力安全を強化することに貢献するとの自らの責務を再確認した。双方はエネルギー効率の重要性を認識し,再生可能エネルギーの活用とエネルギー分野における革新的技術の発展を促進していくことに特別な関心を払う。
気候変動
両国外相は,2015年までにすべての国連気候変動枠組条約締約国に適用される公平かつ実効性のある新たな国際的合意に向けて協働する決意を確認した。双方は,気候変動枠組条約第19回締約国会合において,議長国ポーランドが,法的手続きを尊重し,締約国から表明される利益や意見の多様性を認めつつ,すべての締約国の参加を得て包括的かつ透明性のある形で議論を主導することへの支持を表明した。
IV 日EU関係
「V4+日本」は,日EU戦略的パートナーシップ協定(SPA)の包括的かつ未来志向な文書としての重要性を確認し,この協定が基本的価値と原則を共有するグローバルパートナーとしての日EU関係を適切に反映させるべきとの願望を表明した。
各国外相は,戦略的パートナーシップ協定(SPA)と並行して交渉中の日EU経済連携協定(EPA)/自由貿易協定(FTA)が,バランスのとれた形で,日本及びV4各国企業の市場アクセスを実質的に改善すべきであり,双方の経済関係を強化すべきである旨確認した。双方は,EPA及びSPAの両協定をできるだけ早期に締結すべく協力していくことにコミットした。
V 科学技術及びイノベーション分野での協力の展望
「V4+日本」は,共通の課題に直面しており,知識集約型経済・社会へ向け,科学技術及びイノベーション分野の国際協力の決定的に重要な役割を認識した。この観点から,双方は,二国間のチャネル及び「V4+日本」の枠組みにおいて,良好に発展しているEU・日本科学技術協力に付加価値をつけ,また協力を反映させつつ,科学分野のより緊密な交流を支援する意図を表明した。各国外相は、科学技術協力の実施のために適切な条件を確定する必要性につき確認した。
双方は,2013年7月にスロバキアにて,スロバキア科学アカデミー,国際ヴィシェグラード基金及び独立行政法人科学技術振興機構により開催された最初の「V4+日本」科学技術ワークショップの成果を評価し,この成果をフォローアップするセミナーを日本国及びV4諸国にて将来開催することを強く奨励した。この関連で,双方は,2014年9月にワルシャワにて先端素材に関する科学技術ワークショップを開催するポーランドの提案を歓迎した。
VI人的交流の促進
V4諸国は,先般の2020年オリンピック・パラリンピック東京開催の決定を歓迎した。双方は,2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催の機会にスポーツ交流を通じた関係強化の意志を表明した。
2014年「V4+日本」交流年
各国外相は,来るべき「V4+日本」交流年,及び各国により最近発表された親善大使による重要な推進力を受けたイニシアティブへの賞賛と支持を表明した。
交流年に関連したイベントとして,「V4+日本」は,2014年3月に「V4+日本」共同コンサート,2014年4月に観光セミナーを東京にて開催することを決定した。さらに,双方は,2014年2月にブダペストにて開催が予定されている日本研究会議を歓迎した。
各国外相は,2014年「V4+日本」交流年のロゴを発表した。
VII 結語
各国外相は,「V4+日本」の更なる関係協力のために,ASEM外相会談のような機会を活用し,2年に1回この枠組みで外相会談を継続していく意志を再確認した。次回会合は2015年に開催される。
(了)