[文書名] 高市早苗日本国内閣総理大臣及びサディル・ジャパロフ・キルギス共和国大統領の会談に際する互恵的協力の共創に向けた日本国及びキルギス共和国の関係の更なる発展に関する共同声明
2025年12月20日、東京において、「中央アジア+日本」対話・第1回首脳会合の機会に、高市早苗日本国総理大臣とサディル・ジャパロフ・キルギス共和国大統領との公式会談が実施された。
双方は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化におけるパートナーとしての相互協力の重要性を確認した。
会談において、双方は二国間協力の重要事項に関して意見交換を行い、現状に関し相互に満足の意を表明し、政治、貿易、経済及び投資関係の更なる強化の重要性を強調した。2023年11月のサディル・ジャパロフ大統領の公式訪問時に署名された、日本国とキルギス共和国との間の新たな時代における友好と包括的パートナーシップに関する共同声明で示された原則に基づき、双方は、互恵的な協力を共創するために日本が積極的に関与し、中央アジアと国際社会との相互連結を強化する具体的な取組を推進していくことで一致した。
双方は、2025年12月20日に東京において日本のビジネス協会であるROTOBOが開催したビジネスフォーラムが、日本とキルギス共和国の間のビジネス関係の促進に寄与したことを評価し、ビジネス及び学術分野における文書が日・キルギス関係の更なる強化の基盤となり、両国民の福祉と繁栄に貢献することを認識し、これらの文書の署名を歓迎した。
双方は、2025年12月20日に東京にて採択された「中央アジア+日本」対話・首脳会合東京宣言に示された協力の重点協力3分野(「グリーン・強靱化」、「コネクティビティ」及び「人づくり」)に沿った、以下に例示される二国間協力及びイニシアティブの実施を通じたものを含む、協力の更なる発展で一致するとともに、追加的な互恵分野における協力拡大への意欲を強調した。
双方は、ハイレベルの相互訪問を含む継続的な政治対話を通じた二国間関係の発展を評価した。双方は、地域の安全保障や持続可能な開発問題を含む国際的な議題の現状に関して意見交換を行い、世界的な課題に対処するための国際機関及びフォーラムにおけるパートナーシップの重要性を確認した。
キルギスは、政府開発援助(ODA)を様々な官民の主体を巻き込む触媒としてより戦略的に活用することによって開発効果全体の最大化を目指す日本の開発協力の取組を歓迎した。これに関連して、双方は、域内及び中央アジアから世界への連結性を強化すべく、「カスピ海国際輸送ルート」に関して、この新たなアプローチを通じた協力の促進と拡大について一致した。双方は、この協力の一環として、世界税関機構(WCO)と連携した税関職員に対する研修の実施、及び「カスピ海ルートとの連結性向上のためのビシュケク-オシュ道路ナリン川橋梁架け替え計画」への日本の支援に関する交換公文の署名を歓迎した。
双方は、更に「電力システム運用・保守能力強化のための研修施設整備計画」、「南部地域における中核病院医療機材整備計画」、及び「経済社会開発計画」に関する日本の無償資金協力に関する交換公文の署名を歓迎した。
双方は、法執行及び情報分析能力を強化すべく、国際的な組織犯罪、テロ及び暴力的過激主義への対策における現状の協力を進展させることで一致するとともに、日本政府が主催しキルギス共和国を含む中央アジア5か国の法執行機関が出席した中央アジア地域テロ対策ワークショップが本年2月14日に成功裏に開催されたことを歓迎した。
双方は、交流の促進を通じてイノベーションを創出し、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献した2025年大阪・関西万博の成功を歓迎した。双方は、2025年6月6日にキルギス共和国のナショナル・デーが成功裏に開催されたことを歓迎した。また、日本はキルギス共和国が2027年国際園芸博覧会への参加を決定したことを歓迎し、双方は博覧会の成功裏の開催に向けて連携することで一致した。
双方は、キルギス共和国の経済発展に向けた日本の協力の重要性を再確認し、JICAのODA借款で資金提供された「国際道路修繕プロジェクト」において日本の技術によって支えられた経済の進展や、航空分野における協力を歓迎した。日本は、アジア開発銀行のアジア開発基金を含む様々な手段を通じてキルギス共和国に貢献する用意があることを表明した。
双方は、経済成長、エネルギー安全保障及び脱炭素化を同時に達成する重要性を認識し、2023年7月に設立された二国間クレジット制度(JCM)の実施を含む多様な道筋と政策措置を通じてカーボンニュートラル/ネット・ゼロという共通の目標を達成することで一致した。この観点から、双方は、2025年5月に開催された第1回JCM合同委員会の成功裏の開催を歓迎した。
双方は、2023年9月に開催された「中央アジア+日本」対話・経済・エネルギー対話の成果の進展として、2024年8月のキルギス共和国エネルギー省と日本国経済産業省との間での「エネルギー・トランジションの実現に関する協力に関する覚書」の署名を歓迎した。双方は、2025年9月の第2回経済・エネルギー対話の開催と、同対話において提示されたネット・ゼロ目標に向けたエネルギー・トランジション・ロードマップを歓迎した。また、双方は、キルギス共和国における省エネルギー政策立案者のための人材育成プロジェクトを共同で実施する意向を表明した。
双方は、パリ協定の枠組みにおいて提出される温室効果ガス排出量に関するより正確かつ透明性のある報告書の作成に向け、温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)シリーズを利用した気候変動に関する協力を歓迎した。
双方は、第2回グローバル山岳サミット「ビシュケク+25」が2027年にキルギス共和国で開催される予定であることを支持する。
双方は、観光の機会についての情報交換、両国で開催される国際観光展示会、フェア、祭典、その他の行事への参加を通じた、観光分野での更なる協力の必要性につき一致した。
双方は、新たに創設された人工知能(AI)協力のための日本・中央アジアパートナーシップも通じて、持続的な経済発展の実現と社会的課題の対処に向けた潜在力の育成を目的とする安全・安心で信頼できるAIのガバナンスとエコシステムを共に開発し、支持することで一致した。また、双方は、デジタル経済の重要な牽引役としての自由で保護された信頼できる越境データフローを円滑化する重要性を強調した。
双方は、大学間の学術交流の進展を歓迎した。また、双方は、地域間及び議会間交流の増加へ向けた期待を表明した。
双方は、文化分野における協力、特に日本が資金提供するユネスコプロジェクトを通じた能力強化の拡充やキルギス共和国の世界遺産登録支援等、世界遺産の保護・保存に関する協力を歓迎し、協力関係の強化を継続する重要性を再確認した。また、双方は、文化交流の促進で一致した。
双方は、国際交流基金とキルギス共和国日本人材開発センター(KRJC)が共同で運営する日本語講座を含む、キルギス共和国の教育機関における日本語教育の活発な展開を歓迎した。
双方は、女性のエンパワーメント及び女性・平和・安全保障(WPS)にも資する「一村一品(OVOP)」運動における協力で一致した。また、双方は、キルギス共和国で成功したOVOPプロジェクトを中央アジア及びコーカサスの他の地域に拡大すべく共同活動を促進することで一致し、同時にOVOP運動がキルギス共和国の全域に広がり、国産ブランドの品評会が行われたことを確認した。
双方は、人的育成奨学計画(JDS)やアジア向け日本・IMF奨学金プログラム(JISPA)等のプログラムを通じ、人材育成を更に推進することで一致した。
双方は、「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とキルギス共和国との間の協定」の署名を歓迎するとともに、二国間投資協定を可能な限り早期に締結することを含めて、経済・投資関係を一層強化することで一致した。
双方は、日本の特定技能制度に関する協力を継続する意向を確認した。
双方は、政府間の調整を強化し、二国間協力の具体化を促進するため、貿易・経済・文化・人的交流に関する日本国政府とキルギス共和国政府間の政府間委員会を設置することで一致した。
会談は、双方が様々な分野におけるパートナーシップを継続し発展させる意向を確認する複数の重要な文書とともに締めくくられた。
双方は、形成されたコンセンサスが今後の日本・キルギス関係の強化に向けた基盤としての役割を果たし、両国民の福祉と繁栄に貢献するとの確信を表明した。
会談は、相互尊重と二国間関係の強化に向けた期待の精神の下で実施された。
サディル・ジャパロフ大統領は、高市早苗内閣総理大臣をキルギス共和国への都合の良い時期での訪問に招待し、日本・キルギス関係を更に強化する重要性を強調した。
2025年12月20日に東京にて、英語で2通に署名した。
日本国総理大臣
高市早苗
キルギス共和国大統領
サディル・ジャパロフ