データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 高市早苗日本国総理大臣とセルダル・ベルディムハメドフ大統領の首脳会談の成果に関する共同プレスリリース

[場所] 東京
[年月日] 2025年12月20日
[出典] 外務省
[備考] 仮訳
[全文] 

 2025年12月20日、「中央アジア+日本」対話・第1回首脳会合の機会に、高市早苗日本国総理大臣とセルダル・ベルディムハメドフ大統領は、東京において日・トルクメニスタン首脳会談を実施した。

 大阪・関西万博に際するベルディムハメドフ大統領の訪日期間中の2025年4月15日に発出された共同プレスリリース「日本とトルクメニスタンの互恵的協力関係を共創するための更なる関係発展に向けたファクトシート」に示された二国間関係及びイニシアティブに基づき、双方は、同大統領の公式訪問に際して重要な文書のパッケージが採択されたことを歓迎するとともに、経済、政治及びその他の分野における協力の更なる発展に関して以下のとおり一致した。

経済分野

 双方は、本年4月に改訂された経済産業省とトルクメニスタン外務省との間のエネルギー移行に関する協力覚書に基づき、エネルギー移行分野における協力の更なる発展で一致した。双方は、2025年4月に署名された改定版のエネルギー移行に関する覚書の中で想定されているエネルギー移行に向けた官民の協力に取り組むことで一致した。

 双方は、経済成長、エネルギー安全保障及び脱炭素化を同時に達成することの重要性を認識し、様々な手段によるカーボンニュートラル/ネットゼロという共通目標の達成で一致した。双方は、2025年9月の第2回経済・エネルギー対話の開催と、同対話の中で提示されたカーボンニュートラルに向けたロードマップを歓迎した。

 双方は、アンモニアやガソリン等の分野におけるプラントの建設及びメンテナンスを含む具体的なプロジェクトの重要な進展を歓迎した。双方は、協力プロジェクトの形成を加速するべく官民パートナーシップの発展に向けて更に関与することで一致した。

 双方はトルクメニスタンの化学産業において日本企業と締結された契約の着実な実施の重要性を強調した:

 2025年9月29日に署名されたトルクメニスタン・バルカン州キヤンリ村におけるアンモニア尿素プラントの「ターンキー」方式による設計・調達・建設契約。

 2025年7月23日に署名されたトルクメニスタン・バルカン州キヤンリ村におけるポリマープラントの大規模改修業務の第1フェーズ実施に向けた契約。

 双方は、トルクメニスタン・アハル州における天然ガスからガソリンを製造する第二プラント建設プロジェクトのトルクメニスタンの法令に従った実施に向けた協力の意思を歓迎した。

 双方は、両国間の投資・経済交流を一層促進することに資する、「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とトルクメニスタンとの間の条約」が2025年11月27日に発効したことを歓迎した。

 双方は、二国間投資協定の早期締結に向け、交渉を促進させることについて一致した。

 双方は、地域内及びトルクメニスタンを含む中央アジアと世界の間の連結性を強化する「カスピ海横断国際輸送ルート」に関する協力の促進で一致した。双方は、この協力の一環として、世界税関機構(WCO)と連携した税関職員に対する研修の実施を歓迎した。

 双方は、日本とトルクメニスタン間の直行便就航に向けた活動を推進することで一致した。双方は、直行便の開設後、越境移動が活発化し、両国間の経済交流が促進されることを期待する。

 双方は、新たに創設された人工知能(AI)協力のための日本・中央アジアパートナーシップも通じて、持続的な経済発展の実現と社会的課題の対処に向けた潜在力の育成を目的とする安全、安心で信頼できるAIのガバナンスとエコシステムを共に開発し、支持することで一致した。また、双方は、デジタル経済の重要な牽引役としての自由で保護された信頼できる越境データフローを円滑化する重要性を強調した。

 双方は、パリ協定の枠組みにおいて提出される温室効果ガス排出量に関するより正確かつ透明性のある報告書の作成に向け、温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)シリーズを利用した気候変動に関する協力を歓迎した。

 双方は、持続的な経済発展の促進、イノベーションの奨励、産業能力の向上を視野に入れた情報通信技術(ICT)分野における協力の推進で一致した。

政治分野

 双方は、中央アジア地域の地政学的重要性の高まりに関する認識を共有し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けたパートナーとしての相互協力の重要性を強調した。双方は、すべての国の独立、主権及び領土保全の尊重、武力による威嚇又は武力の行使の禁止を含む国連憲章の目的及び原則を堅持し、人間の尊厳の保護・強化することの重要性を再確認した。これまでの協力実績を踏まえ、双方は、互恵的協力の共創のために日本が積極的に関与し、中央アジアの国際社会との相互連結を強化する具体的なイニシア

 ティブを推進することで一致した。双方は、「中央アジア+日本」対話の枠組みにおける協力を更に強化すること

 で一致した。日本側は、トルクメニスタンが永世中立の地位承認30周年を迎えることを

 祝するとともに、本年12月にアシガバットで開催された平和と信頼の国際年及び国際中立デーを記念する国際フォーラムの開催の成功を高く評価した。

 双方は、両国間のハイレベルの交流と協力における進展を確認した。双方は、議会間交流と両国の友好議員連盟の相互訪問の更なる発展で一致した。

 日本側は、トルクメニスタンが日本の横浜で開催されるGREEN×EXPO2027(国際園芸博覧会)への参加を確約したことを歓迎した。双方は、同行事の成功裏の開催に向けて協力することで一致した。

 双方は、本年8月5日から8日にトルクメニスタンの国家観光地区アヴァザにおいて開催された第3回国連内陸開発途上国会議(LLDC3)における、内陸諸国のより均整がとれ繁栄した将来に向けた潜在力の実現に関わる重要な成果を歓迎した。

 双方は、国境管理及び法執行能力、情報分析能力並びに組織間ネットワーク連携の強化を通じ、国際的な組織犯罪、テロ、暴力的過激主義への対策における協力を継続することで一致し、トルクメニスタンを含む中央アジア諸国の対テロ対策支援を目的として日本で本年2月に開催された「中央アジア地域におけるテロ対策・法の支配ワークショップ」の実施を歓迎した。

 双方は、アフガニスタンの将来的な平和的発展に向けた協力促進の重要性に一致した。この点に関し、双方は外務省の様々なレベルにおけるアフガニスタンに関する二国間協議の開催で一致した。

その他の分野

 双方は、各種奨学金、海外留学及び研修プログラムを通じた人的資源の更なる開発に一致した。

 双方は、二国間関係を強化するために、国際交流基金を通じた日本語教育の重要性を再確認した。

 双方は、日本が資金を拠出するユネスコ・プロジェクトを通じた能力開発支援や登録支援等を通じてトルクメニスタンにおける世界遺産を保護するべく、文化分野における協力を歓迎し、協力の強化を継続する重要性を再確認した。

 双方は、女性・平和・安全保障(WPS)のアジェンダを踏まえ、女性のエンパワーメントに向けた協力を推進することで一致した。この文脈において、日本側は、2025年12月10日にトルクメニスタンの

 国家観光地区アヴァザにおいて開催された国際会議「現代社会における女性の役割:持続可能な発展に向けた国際協力の発展」の成果との関連性を指摘した。双方は、地域情勢に関する意見交換や、災害リスク軽減等の分野における二国

 間及び国際機関との連携への期待を表明した。双方は、科学及びイノベーション技術分野における協力の強化で一致した。双方は、環境保護省と筑波大学の間の環境保護に関する研究協力を歓迎した。