データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日英戦略的サイバー・パートナーシップ

[場所] 仮訳
[年月日] 2026年1月31日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

(意図の表明)

1 サイバーセキュリティに関する協力は、現代の日英関係に不可欠の柱である。日本国政府及び英国政府(以下「両当事者」という。)は、自由で公正かつ安全なサイバー空間にコミットする。

2 2023年に「強化された日英のグローバルな戦略的パートナーシップに関する広島アコード」の一環として創設された日英サイバー・パートナーシップに基づき、両当事者は、そのサイバー協力を戦略的サイバー・パートナーシップに格上げすることで一致した。両当事者は、情報共有、技術標準の進展、国際法及び規範、重要国家インフラの保護並びにサイバー技術の開発及び展開を含む緊密な連携の恩恵を再確認する。

3 両当事者は、日本と英国が直面するあらゆるサイバー脅威を抑止するために、その利用可能な能力を活用する。

(射程)

4 日英戦略的サイバー・パートナーシップ(以下「戦略的パートナーシップ」という。)は、その目標を追求するための適応可能な枠組みを提供する。戦略的パートナーシップは、サイバーに関する共通の機会及び課題をめぐる協力と成果を強化するのに役立つ。既存の連携に関する戦略的方向性を提供することに加え、相互の同意により他の特定の二国間の取組を支援することもある。

5 この枠組みは、二国間関係に関連するあらゆる新たな課題に対応するために、柔軟性を維持する。協力は、以下の3つの柱を中心に強化される。

 (1)サイバー脅威インテリジェンス及び評価の共有、両国のサイバー能力の強化、国際的な取組の主導並びにアトリビューションを含む抑止のためのキャンペーンの実施により、サイバー脅威を検知、防御及び抑止する。また、両当事者は、いずれかが破壊的、混乱的又はその他の不安定化をもたらす悪意あるサイバーインシデントに直面する場合、情報を共有し支援を提供するために、公式チャネルを通じて協力する意図を有する。

 (2)重要インフラの保護及びサプライチェーンに関するベストプラクティスを共有し、規制及び標準の整合性を促進することにより、社会全体のサイバーレジリエンスを強化する。

 (3)サイバー人材及び新興技術に関する協力により、成長及びイノベーションのエコシステムを構築する。また、両当事者は、日英産業戦略パートナーシップの下でサイバー関連協力を実施することを確認する。

(ガバナンス)

6 戦略的パートナーシップは、サイバー協力を全ての範囲で進展させるために、日英サイバー対話(以下「サイバー対話」という。)を通じて管理される。サイバー対話は、外務省及び外務・英連邦・開発省の代表が共同議長を務め、関連する政策的関心を有するその他の省庁及び部局が参加する。

(行動計画)

7 戦略的パートナーシップは、両当事者が追求することを目指す協力及び連携の実践的な分野を詳述する基礎的な行動計画によって補完される。

(拘束力を有しない)

8この文書は、両当事者の意図を示すためのものであり、国内法又は国際法の下でいかなる法的拘束力のある義務を構成することを意図するものではなく、また、明示的又は黙示的に、いかなる法的拘束力のある義務又は執行可能な義務を構成又は創設するものとみなされるものでもない。