[文書名] 原子力エネルギー分野における協力に関する日仏共同声明
原子力エネルギー分野における協力に関する日仏共同声明
日本国内閣総理大臣とフランス共和国大統領は、
日仏両国は、1972年2月26日に東京で作成された原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とフランス共和国政府との間の協定及び2023年5月3日付けの日本の経済産業大臣とフランスのエネルギー移行大臣との原子力エネルギー分野における協力に関する共同声明に照らして、原子力の平和的利用に関する協力を着実に発展させてきたことを想起し、
民生原子力協力が、日仏協力のロードマップ(2023-2027)に示されている、日仏間の「特別なパートナーシップ」における主要な分野の一つであることを強調し、
安全性に基づく、エネルギー安全保障及びカーボンニュートラルへの貢献における原子力エネルギーの価値を再確認し、
核兵器不拡散条約(NPT)、特に原子力の平和的利用に関する同条約の第三の柱を遵守し、堅持するという両国の共通のコミットメントを想起し、
両首脳は、以下の分野における協力強化の重要性を強調した。
1 既存原子炉の安全で持続可能な長期運転の強化
両首脳は、研究機関や産業界の関与を得て、既存の原子力発電所の安全で持続可能な長期運転に資する技術的専門知識の共有並びに次世代の熟練原子力専門家の育成及びオンサイトの運転員や保守要員の訓練を含む人材育成への支援を通じて、協力を推進する。
2 原子力新規導入国への支援及びサプライチェーンの強化
両首脳は、最高水準の原子力安全、核セキュリティ、核不拡散を確保しつつ、国際原子力機関(IAEA)のマイルストーン・アプローチに沿って、欧州及びインド太平洋地域を含む、原子力エネルギーの導入を検討している国々への支援を強化する。両政府は、両国における新たなビジネス機会の創出を目的とする原子力サプライチェーンに関するミッションを促進する。
3 核燃料サイクルに関する協力
の強化両首脳は、オンサイトの人材育成を含め、再処理関連施設の安全で長期的な運転の確保に取り組む。また、使用済MOX燃料(SF-MOX)の再処理に関する日仏実証研究も進める。さらに、両首脳は、ウラン生産及び新たな濃縮サービスに関する協力によってサプライチェーンを維持及び強化するとともに、強靱なサプライチェーン及び必要な場合に迅速に対応可能なバックアップ手段を確保するために、MOX燃料を含む原子力燃料の製造及び燃料部品の調達に関する協力の深化に取り組む。
4 安全で責任ある廃炉の推進
両首脳は、金属廃棄物の効果的な管理及び処理に特に留意した上で、安全で責任ある廃炉に関する協力を推進する。両首脳は、放射性廃棄物由来の物質のリサイクル及び再利用に関する日仏共同のイニシアティブ及び国民の理解を促進するための専門知識の共有などの二国間協力を通じ、社会実装を進める。フランス電力会社(EDF)と福井県との間の嶺南Eコースト計画の枠組みを含む共同イニシアティブにより、日本における金属廃棄物の管理及び処理に関する共通のアプローチの評価が予定されている。
5 次世代原子炉に関する協力の強化
両首脳は、高速炉(FR)の開発に寄与する燃料及び炉の設計技術に関する研究機関間及び産業界間の安全評価及び設計技術のための研究開発における既存の協力を加速させる。両首脳は、2026年3月12日の原子力政策評議会(CPN)におけるフランスの高速炉開発計画の発表や、2025年2月18日に閣議決定された第7次エネルギー基本計画に沿った日本の高速炉実証炉の開発を含め、両国における最近の進展を再確認した。両首脳は、相互の協力を通じ、今世紀半ばまでにFR実証炉の開発を推進するという共通の目標を確認した。
6 フュージョンエネルギー・プロジェクトにおける協力の継続
両首脳は、ITERやJT-60SA等のプロジェクトを通じてフュージョンエネルギーの開発において協力するとともに、今後の運転に向けた努力を継続する。両首脳は、2026年後半のJT-60SAの運転開始と2034年のITERの研究運転開始(SRO)という共通の意向を確認した。また、国際核融合材料照射施設の工学実証・工学設計活動(IFMIF-EVEDA)や国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)事業を含む幅広いアプローチ(BA)活動への貢献を再確認した。