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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 李承晩韓国大統領の隣接海洋に対する主権宣言

[場所] 
[年月日] 1952年1月18日
[出典] 日本外交主要文書・年表(1),471‐472頁.大韓民国外務部「韓日関係参考文書集」(1958),155‐156頁.
[備考] 翻訳 玄大松
[全文]

 国務会議の議決を経て、隣接海洋に対する主権に関し次のごとく宣言する。

1952年1月18日

大統領 李承晩

国務委員 国務総理署理 許政

国務委員 外務部長官 卞栄泰

国務委員 国防部長官 李起鵬

国務委員 商工部長官 金勲

 確定された国際的先例に依拠し、国家の福祉と防禦を永遠に保障しなければならないという要求によって、大韓民国大統領は次のごとく宣言する。

1 大韓民国政府は、国家の領土である韓半島および島嶼の海岸に隣接する大陸棚の上下に既知され、または将来発見されるあらゆる自然資源、鉱物および水産物を、国家にもっとも利するように保護、保存および利用するために、その深度の如何を問わず隣接大陸棚に対する国家主権を保存し、かつ行使する。

2 大韓民国政府は、国家の領土である韓半島および島嶼の海岸に隣接する海洋の上下および内に存在するあらゆる自然資源および財富を保有、保護、保存および利用するのに必要な左記のごとく限定する延長海洋にわたって、その深度の如何に拘わらず、隣接海洋に対する国家の主権を保存し、かつ行使する。特に魚族のたぐいが減少をきたす恐れのある資源および財富が、韓国国民に損害となるように開発され、または国家の損傷となるように減少、あるいは枯渇することのないようにするため、水産業と漁撈業を政府の監督下に置く。

3 大韓民国政府は、これを以て、大韓民国政府の管轄権および支配権がある上述の海洋の上下および内に存在する自然資源および財富を監督し、かつ保護する水域を限定する左記に明示された境界線を宣言し、かつ維持する。

 この境界線は将来に究明される新しい発見、研究または権益の出現によって発生する新情勢にあわせ、修正することができることも併せて宣言する。大韓民国の主権および保護下にある水域は、韓半島およびその附属島嶼の海岸と左記の諸線を連結することによって組成される境界線間の海洋である。

(イ)咸鏡北道慶興郡牛岩嶺頂上から北緯42度15分、東経130度45分の点に至る線

(ロ)北緯42度15分、東経130度45分の点から北緯38度、東経132度50分の点に至る線

(ハ)北緯38度、東経132度50分の点から北緯35度、東経130度の点に至る線

(ニ)北緯35度、東経130度の点から北緯34度40分、東経129度10分の点に至る線

(ホ)北緯34度40分、東経129度10分の点から北緯32度、東経127度の点に至る線

(ヘ)北緯32度、東経127度の点から北緯32度、東経124度の点に至る線

(ト)北緯32度、東経124度の点から北緯39度45分、東経124度の点に至る線

(チ)北緯39度45分、東経124度の点から(平安北道竜川郡薪島列島)馬鞍島西端に至る線

(リ)馬鞍島西端から北へ韓満国境の西端と交差する直線

4 隣接海洋に対する本主権の宣言は、公海上の自由航海権を妨害するものではない。