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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日韓基本条約の関係諸協定,漁業協定(日本国と大韓民国との間の漁業に関する協定),附属書

[場所] 東京
[年月日] 1965年6月22日
[出典] 日本外交主要文書・年表(2),575−576頁.外務省条約局「条約集・昭和40年(二国間条約)」.
[備考] 
[全文]

   附属書

 この協定の第三条に定める暫定的漁業規制措置は,両締約国のそれぞれに適用されるものとし,その内容は,次のとおりとする。

1 最高出漁隻数又は統数(共同規制水域内における操業のため証明書を所持し,かつ,標識を附着して同時に同水域内に出漁している漁船の隻数又は統数の最高限度をいう。)

(a)五十トン未満の漁船による底びき網漁業については百十五隻

(b)五十トン以上の漁船による底びき網漁業については,

 (i)十一月一日から翌年の四月三十日までの期間においては二百七十隻

 (ii)五月一日から十月三十一日までの期間においては百隻

(c)まき網漁業については,

 (i)一月十六日から五月十五日までの期間においては六十統

 (ii)五月十六日から翌年の一月十五日までの期間においては百二十統

(d)六十トン以上の漁船によるさばつり漁業については十五隻

 ただし,操業期間は六月一日から十二月三十一日までとし,操業区域は大韓民国の慶尚北道と慶尚南道との境界線と海岸線との交点と北緯三十五度三十分と東経百三十度との交点とを結ぶ直線以南(ただし,済州島の西側においては北緯三十三度三十分以南)の水域とする。

(e)日本国の漁船と大韓民国の漁船との漁獲能力の格差がある間,大韓民国の出漁隻数又は統数は,両締約国政府間の協議により,この協定の最高出漁隻数又は統数を基準とし,その格差を考慮して調整される。

2 漁船規模

(a)底びき網漁業のうち,

 (i)トロール漁業以外のものについては三十トン以上百七十トン以下

 (ii)トロール漁業については百トン以上五百五十トン以下

 ただし,五十トン以上の漁船による底びき網漁業(大韓民国が日本海において認めている六十トン未満の漁船によるえび底びき網漁業を除く。)は,東経百二十八度以東の水域においては,行なわないことにする。

(b)まき網漁業については網船四十トン以上百トン以下

ただし,この協定の署名の日に日本国に現存する百トン以上のまき網漁船一隻は,当分の間例外として認められる。

(c)六十トン以上の漁船によるさばつり漁業については百トン以下

3 網目(海中にける内径とする。)

(a)五十トン未満の漁船による底びき網漁業については三十三ミリメートル以上

(b)五十トン以上の漁船による底びき網漁業については五十四ミリメートル以上

(c)まき網漁業のあじ又はさばを対象とする漁網の身網の主要部分については三十ミリメートル以上

4 集魚燈の光力(発電機の総設備容量)

(a)まき網漁業については一統につき,十キロワット以下の灯{ひとルビ}船二隻及び七・五キロワット以下の灯{ひとルビ}船一隻とし,計二十七・五キロワット以下

(b)六十トン以上の漁船によるさばつり漁業については十キロワット以下

5 証明書及び標識

(a)共同規制水域内に出漁する漁船は,それぞれの政府が発給する証明書を所持し,かつ,標識を附着するものとする。ただし,まき網漁業に従事する漁船については,網船以外の漁船は証明書を所持する必要はなく,また,網船は正の標識を,網船以外の漁船は正の標識に符合する副の標識をそれぞれ附着するものとする。

(b)証明書及び標識の総数(底びき網漁業及びさばつり漁業に従事する漁船については各漁船に附着される二枚の標識を一として計算し,まき網漁業に従事する漁船については網船に附着される二枚の正の標識を一として計算する。)は,暫定的漁業規制措置の対象となる漁業別に当該漁業に関する最高出漁隻数及び統数と同数とする。ただし,漁業の実態にかんがみ,五十トン以上の漁船による底びき網漁業についてはその最高出漁隻数の十五パーセントまで,五十トン未満の漁船による底びき網漁業についてはその最高出漁隻数の二十パーセントまで,それぞれ追加発給することができる。

(c)標識の様式及び附着場所は,両締約国政府間の協議により定められる。