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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日韓基本条約の関係諸協定,漁業協定(日本国と大韓民国との間の漁業に関する協定),往復書簡(安全操業に関する往復書簡)

[場所] 東京
[年月日] 1965年6月22日
[出典] 日本外交主要文書・年表(2),582−583頁.外務省条約局「条約集・昭和40年(二国間条約)」.
[備考] 
[全文]

   (日本国外務省アジア局長の韓国外務部亜州局長あて書簡)

 本官は,本日日本国と大韓民国との間の漁業に関する協定が署名されるに際し,日本国の水産当局が,日韓両国の漁船間の操業の安全を図り,かつ,その正常な秩序を維持するため及び海上における両国の漁船間の事故の円滑かつ迅速な解決を図る目的に資するため,両国の民間関係団体の間において別紙に掲げる項目をもつた取決めができる限りすみやかに行なわれるように日本国の民間関係団体を指導する意向であることを申し述べます。

  昭和四十年六月二十二日

     外務省アジア局長 後宮虎郎

 外務部亜州局長 延河亀殿

(別紙)

   操業安全及び秩序維持に関する項目

一 標識及び信号

(一)漁船の漁ろう作業中の事実を示す標識

(二)漁船の漁ろう中に生じた事故を示す標識

(三)漁船の夜間における投びよう及び停泊を示す標識

(四)漁船の夜間識別信号及び針路汽笛信号

二 操業中の遵守事項

(一)前方の漁ろう作業中の漁船の操業を尊重する原則

(二)漁ろう作業中の漁具の延伸区域を尊重する原則

(三)複数の漁ろう体の並航操業の場合における原則

(四)ふくそうする漁場における操業の原則(まき網漁業における灯{ひとルビ}船の操業間隔を含む。)

三 避航に関する事項

(一)漁ろう作業中の漁船の優先の原則

(二)漁ろう作業中の漁船相互の避航についての原則

(三)漁ろう作業中に事故(漁具喪失,ロープ切断等)に会つた漁船優先の原則

四 投びよう及び停泊についての注意事項

五 海難救助に関する事項

六 漁船及び漁具の被害補償に関する事項

   (韓国外務部亜州局長の日本国外務省アジア局長あて書簡)

(訳文)

 本官は,本日大韓民国と日本国との間の漁業に関する協定が署名されるに際し,大韓民国の水産当局が,韓日両国の漁船間の操業の安全を図り,かつ,その正常な秩序を維持するため及び海上における両国の漁船間の事故の円滑かつ迅速な解決を図る目的に資するため,両国の民間関係団体の間において別紙に掲げる項目をもつた取決めができる限りすみやかに行なわれるように大韓民国の民間関係団体を指導する意向であることを申し述べます。

  千九百六十五年六月二十二日

       外務部亜州局長 延河亀

 外務省アジア局長 後宮虎郎貴下

(別紙)

   操業安全及び秩序維持に関する項目

一 標識及び信号

(一)漁船の漁ろう作業中の事実を示す標識

(二)漁船の漁ろう中に生じた事故を示す標識

(三)漁船の夜間における投びよう及び停泊を示す標識

(四)漁船の夜間識別信号及び針路汽笛信号

二 操業中の遵守事項

(一)前方の漁ろう作業中の漁船の操業を尊重する原則

(二)漁ろう作業中の漁具の延伸区域を尊重する原則

(三)複数の漁ろう体の並航操業の場合における原則

(四)ふくそうする漁場における操業の原則(まき網漁業における灯{ひとルビ}船の操業間隔を含む。)

三 避航に関する事項

(一)漁ろう作業中の漁船の優先の原則

(二)漁ろう作業中の漁船相互の避航についての原則

(三)漁ろう作業中に事故(漁具喪失,ロープ切断等)に会つた漁船優先の原則

四 投びよう及び停泊についての注意事項

五 海難救助に関する事項

六 漁船及び漁具の被害補償に関する事項