[文書名] 日韓条約調印に際しての談話
本日,日韓国交正常化のための諸条約が調印されたことは,まことに喜びに堪えません。この交渉は,延々十四年の長きにわたりましたが,日韓両国民の力強い支援と理解のもと,両国政府のたゆまざる努力によつて,歴史的なこの日を迎えることができたのであります。
わたくしは,この機会に朴大統領をはじめとする大韓民国政府首脳および交渉当事者の熱意と努力に対し,改めて深い敬意を表するものであります。長く,かつ古くからの相互関係の歴史を有し,一衣帯水の間にある日韓両国が,それぞれの立場を尊重しつつ善隣友好の道を歩むことは,きわめて当然のことであり,これにより両国の繁栄とアジアの平和安定が一段と増進されることを確信するものであります。
このことは,相互理解の精神をもつてすれば,いかなる隣国関係も友好的に調整できるという一つの範を世界に示したものと考えます。
政府は,今後条約の批准手続きをすみやかに進め,国民各位のご協力を得て,大韓民国との善隣友好関係を強力に推進する所存であります。