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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定 交換公文(韓国との大陸棚南部共同開発協定 交換公文)

[場所] 
[年月日] 1974年1月30日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

(掘さく義務に関する交換公文)

(韓国側書簡)

(訳文)

書簡をもつて啓上いたします。本長官は、本日署名された大韓民国と日本国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定(以下「協定」という。)第十一条に言及するとともに、大韓民国政府に代わつて、開発権者が探査権の存続期間中に履行すべき掘さく義務に関する次の取極を確認する光栄を有します。

1(1)協定の付表に定める各小区域について認可された両締約国の開発権者は、最初の三年の期間、次の三年の期間及び残余の二年の期間中に、それぞれ、一の坑井を掘さくする。

 (2)(1)の規定の適用上、単独危険負担操業は、両締約国の開発権者によつて行われたものとみなす。

 (3)(1)の規定の適用上、第一小区域及び第九小区域は、単一の小区域を構成するものとみなす。

 (4)(1)の規定にかかわらず、第八小区域について認可された開発楮者は、最初の三年の期間中は(1)の規定に基づく義務を免除されるものとし、第二小区域、第三小区域、第四小区域又は第六小区域について認可された開発権者は、(1)の規定に基づく義務を免除される。

2 この取極は、協定の効力発生の日から適用される。

本長官は、更に、この書簡及び日本国政府に代わって前記の取極を確認する閣下の返簡が両政府間の合意を構成するものとみなすことを提案する光栄を有します。

本長官は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。

千九百七十四年一月三十日にソウルで

外務部長官 金東ジョ{ジョはしめすへんに、作のつくり}

大韓民国駐在日本国

特命全権大使 後宮虎郎閣下

(日本側書簡)

(訳文)

書簡をもつて啓上いたします。本使は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。

(韓国側書簡)

本使は、更に、日本国政府に代わつて閣下の書簡に盛られた取極を確認するとともに、閣下の書簡及びこの書簡が両政府間の合意を構成するものとみなすことに同意する光栄を有します。

本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。

千九百七十四年一月三十日にソウルで

大韓民国駐在日本国

特命全権大使 後宮虎郎

大韓民国外務部長官 金東ジョ{ジョはしめすへんに、作のつくり}閣下

(海洋における衝突の防止に関する交換公文)

(韓国側書簡)

(訳文)

書簡をもつて啓上いたします。本長官は、本日署名された大韓民国と日本国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定(以下「協定」という。)第二十条に言及するとともに、大韓民国政府に代わつて、海洋における衝突の防止に関する次の取極を確認する光栄を有します。

1 いずれの締約国の政府も、自国が認可した開発権者が操業管理者として指定され及び行動する共同開発区域内の小区域において次の措置をとる。

(1)(a)協定に基づく探査が水上航行船舶によりそれらの小区域において行われる場合には、当該政府は、速やかに、その探査活動が行われる海域及び期間を他方の政府及び航海者に通報する。

   (b)航行の危険となるおそれのある固定施設(以下「固定施設」という。)が設置される場合には、当該政府は、速やかに、その固定施設の正確な位置その他航行の安全のために必要な事項(例えば、固定施設の設置中にこれに備え付けられる標識)を他方の政府及び航海者に通報する。当該政府は、固定施設が撤去され又は移転される場合にも、同様の措置をとる。

(2)固定施設であつてその上端が水面より上にあるものが設置された場合には、当該政府は次の措置がとられることを確保する。

   (a)当該固定施設には、夜間は一個以上の白燈を掲げ、そのうち少なくとも一個は周囲から視認することができるようにする。これらの燈火は、平均高潮面上十五メートル以上の高さに掲げられるものとし、モールス符号のUの信号(- - ●{●は - の倍の長さの横棒})に相当するせん光を最大周期十五秒で発する。これらの燈火の光度は、六千カンデラ以上とする。

   (b)当該固定施設の翼端及び上端には、夜間は三百カンデラ以上の光度を有する紅燈を掲げる。

   (c)当該固定施設には、一個以上の音響信号器を備え、その音響信号が周囲から聴取することができるようにする。これらの音響信号器は、二海里以上の通常音達距離を有するものとし、モールス符号のUの信号(- - ●{●は - の倍の長さの横棒})に相当する音響信号を三十秒の周期で発する。音響信号器は、気象学的視程が二海里に達しないときに用いる。

   (d)レーダー・レフレクターは、当該固定施設に近づく船舶が、その接近方向のいかんを問わず、少なくとも十海里の距離から、レーダーにより当該固定施設の存在を明確に探知することができるように設置する。

   (e)当該固定施設には、航空機との衝突を防止するため適当な標識を掲げる。

(3)水中抗井、パイプライン等の水中固定施設が設置された場合には、当該政府は、その水中固定施設に適当な標示が掲げられることを確保する。

(4)(a)二以上の固定施設の位置が相互に近接しており、(2)(a)、(b)、(c)及び(d)に規定する信号装置を固定施設のそれぞれに設置しなくとも航行の安全が確保される場合には、それらの固定施設は(2)(a)、(b)、(c)及び(d)の規定の適用上、単一の固定施設を構成するものとみなすことができる。

   (b)固定施設自体が(2)(d)に規定する条件を満たすレーダー反射効果を有する場合には、レーダー・レフレクターの設置を省略することができる。

2 この取極は、協定の效力発生の日から適用される。

3 この取極は、いずれか一方の政府が他方の政府に対し一年前に書面による予告を与えることによつて、終了させることができる。

4 両政府は、この取極が3の規定に従つて終了する前に、将来の取極を決定するために会合する。

本長官は、更に、この書簡及び日本国政府に代わつて前記の取極を確認する閣下の返簡が両政府間の合意を構成するものとみなすことを提案する光栄を有します。

本長官は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。

千九百七十四年一月三十日にソウルで

外務部長官 金東ジョ{ジョはしめすへんに、作のつくり}

大韓民国駐在日本国

特命全権大使 後宮虎郎閣下

(日本側書簡)

(訳文)

書簡をもつて啓上いたします。本使は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。

(韓国側書簡)

本使は、更に、日本国政府に代わつて閣下の書簡に盛られた取極を確認するとともに、閣下の書簡及びこの書簡が両政府間の合意を構成するものとみなすことに同意する光栄を有します。

本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。

千九百七十四年一月三十日にソウルで

大韓民国駐在日本国

特命全権大使 後宮虎郎

大韓民国外務部長官 金東ジョ{ジョはしめすへんに、作のつくり}閣下

(海洋の汚染の防止及び除去に関する交換公文)

(日本側書簡)

(訳文)

書簡をもつて啓上いたします。本使は、本日署名された日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定(以下「協定」という。)第二十条に言及するとともに、日本国政府に代わつて、共同開発区域における天然資源の探査又は採掘に関連する活動から生ずる海洋の汚染の防止及び除去に関する次の取極を確認する光栄を有します。

I

いずれの締約国の政府も、(a)自国が認可した開発権者が操業管理者として指定され及び行動する共同開発区域内の小区域における天然資源の探査又は採掘に関連する坑井及び海洋施設並びに(b)自国の国旗を掲げる船舶で共同開発区域における天然資源の探査又は採掘に関連する活動に従事しているもの(以下「船舶」という。)に関して、次の措置がとられることを確保する。

1 噴出防止装置等

(1)(a)堀さく井には、油又は天然ガスの噴出のおそれがある場合には、噴出防止装置を備える。

   (b)(a)の規定は、試油作業又は改修作業を行う場合であつて自噴採収装置を備えたときは、適用しない。

(2)(1)にいう噴出防止装置については、次の要件が満たされなければならない。

   (a)坑口に備える噴出防止装置は、開閉式のものであり、速やかに作動することができる遠隔操作式のものであつて、かつ、専用の動力源を有すること。

   (b)坑口に備える噴出防止装置の非常用の作動装置又は警報装置をドローウォークスを操縦する者の付近に備えること。

   (c)坑口に備える噴出防止装置の払線から流出する油又は天然ガスの量を調節するため、フロービーンその他の装置を備えること。

   (d)掘管、チュービングパイプ又はケーシングパイプの内部からの油又は天然ガスの噴出を防止することができる装置を備えること。

(3)(a)坑井の掘さく作業又は試油作業を行うときは、非常用の泥水又はその材料及び重泥水の作成又は泥水の性質の調整のため必要な材料を掘さく作業現場に準備する。

   (b)(a)の規定は、自噴採収装置を備えたときは、適用しない。

(4)噴出防止装置、自噴採収装置その他の坑口装置は、少なくともこの書簡の付表に定める圧力に耐えることができるものでなければならない。

(5)掘さく作業を行うときは、次の要件が満たされなければならない。

   (a)適当な深度まで坑井の掘さくを行つたときは、速やかにケーシングパイプの挿入及びセメンチングを行うこと。

   (b)セメンチングを行つたときは、加圧その他の方法によりその有効性を確認すること。

   (c)循環泥水タンク内の泥水量の異常な増減を直ちに知ることができる装置を備えておくこと。

(6)噴出防止装置につき、一箇月に少なくとも一回適当な圧力を加えた耐圧試験を行う。

(7)気象状況により掘さく施設の位置を保持することが困難になつたため、又は事故が発生し若しくは発生するおそれがあるため堀さく作業を停止する場合には、噴出防止装置を閉鎖する。

2 油の排出

(1)(a)原油、重油、重ディーゼル油、潤滑油又はこれらの油を含有する混合物(以下「油」という。)を船舶又は海洋施設から排出してはならない。

   (b)(a)の規定は、次の排出については、適用しない。

     (i)タンカー以外の船舶からの油の排出又はタンカーからのビルジの排出で、次の条件がすべて満たされるもの

      i)当該船舶又は当該タンカーが航行中であること。

      ii)油分の瞬間排出率が一海里当たり六十リットル以下であること。

      iii)排出する油の油分がその排出量の百万分の百未満であること。

     (ii)タンカーからの油の排出で、次の条件がすべて満たされるもの

      i)当該タンカーが航行中であること。

      ii)油分の瞬間排出率が一海里当たり六十リットル以下であること。

      iii)一回のバラスト航海において排出される油の総量が総貨物艙積載容積の一万五千分の一以下であること。

       iv)最も近い陸地から当該タンカーまでの距離が五十海里を超えていること。

     (iii)洗浄された貨物油タンクからの水バラストの排出。ただし、その貨物油タンクは、そこからの排水が晴天の日に停止中のタンカーから清浄かつ平穏な海中に排出された場合に視認することができる油膜を海面に生じないほど、十分に洗浄されていることを条件とする。

(2)(1)の規定は、次のものには適用しない。

   (a)船舶若しくは海洋施設の安全を確保し、船舶、海洋施設若しくは船舶の積荷の損傷を防止し又は海上において人命を救助するための油の排出

   (b)船舶若しくは海洋施設の損傷又はやむを得ない漏出に起因する油の流出。ただし、その損傷の発生又は漏出の発見の後に、流出を防止し又は減少させるためすべての適当な措置がとられていることを条件とする。

   (c)海洋施設からの油の排出。ただし、排出する油の油分がその排出量の百万分の十未満であることを条件とする。

   (d)総トン数百五十トン未満のタンカー又はタンカー以外の総トン数五百トン未満の船舶からの油の排出

3 廃棄物の排出

(1)船舶又は海洋施設からの廃棄物を排出してはならない。

(2)(1)の規定は、次の排出については適用しない。

   (a)船舶又は海洋施設内にある者の日常生活に伴い生ずるごみ、ふん尿若しくは汚水又はこれらに類する廃棄物の排出

   (b)海洋の汚染が生ずるおそれがない方法による掘くず又は汚水の排出

   (c)海洋の汚染が生ずるおそれがない方法により、かつ、廃棄物の排出によつて海洋環境の保全が妨げられるおそれがない海域においてする船舶からの廃棄物(掘くず及び汚水を除く。)の排出

   (d)船舶若しくは海洋施設の安全を確保し、船舶、海洋施設若しくは船舶の積荷の損傷を防止し又は海上において人命を救助するための廃棄物の排出

   (e)船舶若しくは海洋施設の損傷に起因する廃棄物の排出又はやむを得ない排出。ただし、その損傷の発生又は排出の発見の後に、排出を防止し又は減少させるためすべての適当な措置がとられていることを条件とする。

4 汚染の防止及び除去

船舶又は海洋施設から大量の油が排出されたときは、汚染のひろがり及び引き続く油の排出を防止し並びに排出された油を除去するため、速やかに、措置をとらなければならない。

5 坑井の廃止

坑井を廃止するときは、坑井からの坑水その他の物質の漏出を防止するため、坑井の密閉その他の措置をとらなければならない。

1 一方の政府は、次のいずれかの事態が発生した場合には、他方の政府に対し、入手することができるすべての情報を速やかに提供しなければならない。

(a)船舶又は海洋施設からの大量の油の排出

(b)海洋施設と船舶又は他の物体との衝突

(c)危険な気象状況その他の緊急事態による海洋施設からの人員の退去

2 1(a)の事態に関する情報を提供するときは、当該政府は、他方の政府に対し、Ⅰ4の規定に従つてとられた措置をも通報する。

1 各政府は、特別な事情があるときは、Ⅰ1(2)(a)、(b)、(c)又は(d)の規定の適用について例外を認めることができる。

2 各政府は、深さ千五百メートルを超える坑井については、Ⅰ1(4)の規定の適用について例外を認めることができる。

いずれの政府も、Ⅰ4の規定に従つて措置がとられなかつた場合又はとられた措置のみによつては海洋の汚染を防止し若しくは除去するために十分ではないと認める場合には、海洋の汚染を防止し又は除去するため、必要な措置をとることができる。

両政府は、この取極の効果的な実施のため緊密に協力する。

1 この取極は、協定の效力発生の日の後六箇月を経過したとき又は両政府間で合意するこれよりも早い日から、適用される。

2 この取極は、いずれか一方の政府が他方の政府に対し一年前に書面による予告を与えることによつて、終了させることができる。

3 両政府は、この取極が2の規定に従つて終了する前に、将来の取極を決定するために会合する。

本使は、更に、この書簡及び大韓民国政府に代わつて前記の取極を確認する閣下の返簡が両政府間の合意を構成するものとみなすことを提案する光栄を有します。

本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。

千九百七十四年一月三十日にソウルで

大韓民国駐在日本国

特命全権大使 後宮虎郎

大韓民国外務部長官 金東ジョ{ジョはしめすへんに、作のつくり}閣下


付表


    

     圧力
堀さくする油層又は天然ガス層の性質 噴出防止装置 噴出防止装置以外の装置
              
油層又は遊離形天然ガス層であつて、その圧力が判明しているもの 密閉抗底圧力の一・五倍に相当する圧力 密閉抗口圧力の二倍に相当する圧力
              
油層又は遊離形天然ガス層であつて、その圧力が判明していないもの 毎平方センチメートルにつき目的層の深度のメートル数を十で除した数の一・五倍に相当する数値の重量キログラム 密閉抗口圧力の二倍に相当する圧力
              
水溶形天然ガス層 毎平方センチメートルにつき目的層の深度のメートル数を十で除した数の〇・五倍に相当する数値の重量キログラム 密閉抗口圧力の二倍に相当する圧力


(韓国側書簡)

(訳文)

書簡をもつて啓上いたします。本長官は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。

(日本側書簡)

本長官は、更に、大韓民国政府に代わつて閣下の書簡に盛られた取極を確認するとともに、閣下の書簡及びこの書簡が両政府間の合意を構成するものとみなすことに同意する光栄を有します。

本長官は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。

千九百七十四年一月三十日にソウルで

外務部長官 金東ジョ{ジョはしめすへんに、作のつくり}

大韓民国駐在日本国

特命全権大使 後宮虎郎閣下