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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 朝鮮民主主義人民共和国の軍事境界線設定の発表

[場所] 
[年月日] 1977年8月1日
[出典] 日本外交主要文書・年表(3),934頁.外務省文書
[備考] ピョンヤン8月1日発朝鮮中央通信=朝鮮通信より
[全文]

 朝鮮人民軍最高司令部の報道が発表された。報道の全文は次のとおり。

 朝鮮人民軍最高司令部は,我が国につくり出された情勢の要求から朝鮮民主主義人民共和国経済水域をしっかりと守り,民族的利益と国の自主権を軍事的に徹底的に守るために,軍事境界線(注)を設定する。

 軍事境界線は,東海では,領海起算線50カイリ,西海では経済水域線とする。

 軍事境界線区域内(水上,水中,空中)で,外国人,外国軍艦船,外国軍用機の行動を禁止し,民間船舶,民間機(漁労船舶除外)などは,当該の事前合意または承認のもとでのみ,軍事境界線区域を航行及び飛行することができる。

 軍事境界線区域内(水上,水中,空中)において,民間船舶,民間機などが,軍事目的をもった行動と経済的利益を侵害する活動を行うことはできない。

   (注)「軍事境界線」は,北朝鮮政務院決定(1978.8.12.第160号)によれば,「軍事警戒線」となっている。