データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 盧泰愚韓国大統領の南北統一問題に関する特別宣言,日本政府見解

[場所] 7月7日午前の小渕官房長官記者会見冒頭発言
[年月日] 1988年7月7日
[出典] 日本外交主要文書・年表(4),829頁.外務省国内広報課「月刊国際政経情報」,1988年8月号,10−12頁.
[備考] 
[全文]

1.今般の,盧泰愚大統領特別宣言はきわめて建設的かつ柔軟な提案であり,我が国としてこれを支持し,歓迎する。

2.かかる提案を受けて,北朝鮮側が同様の柔軟性をもって南北対話・交流に積極的に応じることを強く期待する。

3.我が国としても,北朝鮮側が建設的な姿勢を示す場合には,関係国とも密接に協調の上,韓国と中国・ソ連の交流との均衡に配慮しつつ,日朝関係の改善を積極的に進めていきたいが,そのためにも第18富士山丸問題の解決は前提とならざるをえない。政府は,これら日朝間の懸案の全ての側面について北朝鮮側と話合いを行う用意がある。

4.いずれにせよ,今般の盧泰愚大統領特別宣言を契機に,南北及び関係国間の対話が促進され,来るオリンピックの成功と併せ,朝鮮半島の緊張緩和に大きく寄与することとなるよう切に希望する。