[文書名] 排他的経済水域における外国人の漁業などに対する主権的権利の行使に関する法律(法律第5152号、一部改正1996年8月8日、一部改正1999年2月5日)
第1条(目的)この法律は、海洋法に関する国際連合協約の関係規定により、大韓民国の排他的経済水域で行われる外国人の漁業活動に関する我が国の主権的権利の行使などに関して必要な事項を規定することによって、海洋生物資源の適正な保存・管理及び利用に寄与することを目的とする。
第2条(定義)この法律において使用する用語の定義は、次の通りである。
1.“排他的経済水域”とは、排他的経済水域法によって設定された水域をいう。
2.“外国人”とは、次の各号の一に該当する者をいう。
(イ)大韓民国の国籍を有しない者
(ロ)外国の法律に基づいて設立された法人(大韓民国の法律に基づいて設立された法人で外国に本店または主な事務所を持つ法人またはその株式若しくは持分の2分の1以上を外国人が所有している法人を含む)
3.“漁業”とは、水産動植物を捕獲・採取または養殖する事業をいう。
4.“漁業活動”とは、漁業または漁業に関連する探索・集魚、漁獲物の保管・貯蔵・加工、漁獲物、またはその製品の運搬、船舶に必要な物の補給その他海洋水産部令が定める漁業に関連する行為をいう。
第3条(適用範囲等)(1)外国人が排他的経済水域で漁業活動を行う場合には、水産業法の規定にもかかわらず、この法律の規定を適用する。
(2)この法律で規定する事項に関して外国との協定で別段に定めるものがあるときは、当該協定が定めるところによる。
(3)排他的経済水域において、外国人の漁業活動に関しては、排他的経済水域法第5条第1項の規定にかかわらず、大統領令が定める法令の規定は、これを適用しない。
第4条(特定禁止区域における漁業活動禁止)外国人は、排他的経済水域の中で、漁業資源の保護、または漁業調整のために大統領令が定める区域(以下“特定禁止区域”という)で漁業活動をしてはならない。
第5条(漁業等の許可)(1)外国人は、特定禁止区域でない排他的経済水域で漁業活動を行おうとするときは、船舶ごとに海洋水産部長官の許可を受けなければならない。
(2)海洋水産部長官は、第1項の規定により許可を行ったときは、当該外国人に許可証を交付しなければならない。
(3)外国人は、第1項の規定により許可を受けたときは、許可を受けた船舶に許可事項を識別が可能なように表示し、かつ、第2項の許可証を備え付けておかなければならない。
(4)第1項ないし第3項の規定による許可事項は大統領令で、許可手順・許可証交付及び表示方法その他必要な事項は海洋水産部令で定める。
第6条(許可基準)(1)海洋水産部長官は、第5条第1項による許可申請があった場合において、次の各号の基準に適合した場合に限り、これを許可することができる。
1.許可申請された漁業活動が国際協約、または国家間の合意、その他これに準ずるものの履行に支障を来さないと認められなければならない
2.許可申請された漁業活動によって、海洋水産部令が定めるところにより海洋水産部長官が定める漁獲量の限度を超えないと認められなければならない
3.許容可能な漁業及び船舶規模基準など海洋水産部令が定める基準に適合していると認められなければならない
(2)第1項第2号の規定による漁獲量の限度を定めるところにおいては水産資源の動向、大韓民国漁業者の漁獲実態、外国人の漁業状況及び周辺外国水域での大韓民国漁業者の漁業状況などを総合的に考慮しなければならなく、水産業法第54条の2の規定により設定された総許容漁獲量を基礎としなければならない。
第7条(入漁料)(1)外国人は、第5条第2項の規定により許可証の交付を受けたときは、大韓民国政府に入漁料を納付しなければならない。
(2)第1項の規定による入漁料は特別の事由がある場合には、これを減額し、または免除することができる。
(3)第1項及び第2項の規定による入漁料の金額、納付期限及び方法と減額・免除基準その他入漁料に関して必要な事項は、大統領令で定める。
第8条(試験・研究などのための水産動植物の捕獲・採取などの承認)
(1)外国人は、排他的経済水域において、試験・研究または教育実習その他海洋水産部令が定める目的のために、次の各号の一に該当する行為を行おうとするときは、船舶ごとに、海洋水産部令で定めるところにより、海洋水産部長官の承認を受けなければならない。
1.水産動植物の捕獲・採取
2.漁業に関連した探索・集魚
3.漁獲物の保管・貯蔵・加工
4.漁獲物またはその製品の運搬
(2)第1項の規定により承認をする場合、承認証の交付及び備置、承認事項の表示に関しては、第5条第2項及び第3項の規定を準用する。この場合“許可”は“承認”に、“許可証”は“承認証”に、“許可事項”は“承認事項”と見なす。
(3)第1項及び第2項の規定による承認手順・承認証交付・承認事項及び表示方法その他必要な事項は、海洋水産部令で定める。
第9条(手数料)(1)外国人は、第8条第1項の規定により承認申請をするときには、海洋水産部令が定めるところにより、大韓民国政府に手数料を納付しなければならない。
(2)第1項の規定による手数料は、特別の事由がある場合には、これを減額し、または免除することができる。
(3)第1項及び第2項の規定による手数料の金額、減額、または免除基準に関して必要な事項は、海洋水産部令で定める。
第10条(許可等の制限または条件)海洋水産部長官は、第5条第1項の規定による許可、または第8条第1項の規定による承認をする場合には、制限、または条件を付けることができ、その制限、または条件は、これを変更することができる。
第11条(漁獲物などの転積等の禁止)外国人、または外国漁船の船長は、排他的経済水域において漁獲物、またはその製品を他の船舶に転載し、または他の船舶から積み込んではならない。ただし、海洋事故の発生など海洋水産部令が定める場合には、この限りでない。
第12条(漁獲物等の直接陸揚げ禁止)外国人、または外国漁船の船長は、排他的経済水域において漁獲した漁獲物、またはその製品を、大韓民国の港に直接陸揚げすることができない。ただし、海洋事故の発生など海洋水産部令が定める場合には、この限りでない。
第13条(許可及び承認の取消等)海洋水産部長官は、第5条第1項の規定による許可を受けたり第8条第1項の規定による承認を受けた外国人がこの法律、この法律による命令、または制限、若しくは条件に違反したときは、1年の範囲内で排他的経済水域における漁業活動、または試験・研究などのための水産動植物の捕獲・採取等(以下“漁業活動等”という)の停止を命じたり、第5条第1項の規定による許可、または第8条第1項の規定による承認を取り消すことができる。
第14条(大陸棚の定着性魚種に関係する漁業活動への準用)(1)大韓民国の大陸棚の中、排他的経済水域外側水域での定着性魚種(海洋法に関する国際連合協約第77条第4項の定着性魚種に属する生物をいう)に関連する漁業活動などに関しては、第3条ないし第13条の規定を準用する。
(2)第1項の定着性魚種は、海洋水産部長官がこれを告示する。
第15条(河川回帰性魚種の保護及び管理)大韓民国は、排他的経済水域外側水域で大韓民国の内水面で産卵する河川回帰性(遡河性)魚族資源の保護・管理のために、海洋法に関する国際連合協約第66条第1項の規定により、当該魚族資源に対する優先的な利益と責任を有する。
第16条(権限の委任)海洋水産部長官は、この法律による権限の一部を大統領令が定めるところにより、特別市長・広域市長または道知事に委任することができる。
第17条(罰則)次の各号の一に該当する者は、1億ウォン以下の罰金に処する。
1.第4条または第5条第1項の規定に違反して漁業活動を行った者
2.第10条の規定により第5条第1項の許可に付ける制限、または条件(第10条の規定により変更された制限または条件を含む)に違反した者
3.第11条の規定に違反して漁獲物、またはその製品を他の船舶に転載し、または他の船舶から積み込んだ者
4.第13条の規定による漁業活動の停止命令に違反した者
5.第14条第1項の規定により準用される第4条・第5条第1項・第10条、または第13条の規定に違反して漁業活動を行った者
第18条(罰則)第12条の規定に違反して漁獲物、またはその製品を直接陸揚げした者は、3千万ウォン以下の罰金に処する。
第19条(罰則)次の各号の一に該当する者は、500万ウォン以下の罰金に処する。
1.第8条第1項(第14条第1項の規定により準用される場合を含む)の規定により承認を受けず、試験・研究などのための水産動植物の捕獲・採取などの行為を行った者
2.第10条の規定により第8条第1項の承認に付ける制限、または条件(第10条の規定により変更された制限または条件を含む)に違反した者(第14条第1項の規定により準用される制限、または条件、若しくは変更された制限、または条件に違反した者を含む)
3.第13条(第14条第1項の規定により準用される場合を含む)の規定による試験・研究などのための水産動植物の捕獲・採取などの停止命令に違反した者
第20条(罰則)第5条第3項の規定による許可事項の表示をせず、または許可証を備え付けておかなかった者(第8条第2項、または第14条第1項の規定により準用される場合を含む)は200万ウォン以下の罰金に処する。
第21条(没収または追徴)第17条ないし第19条に違反した者が所有、または所持する漁獲物及びその製品、船舶、または漁具その他漁業活動などに使用した物は、これを没収することができる。ただし、その物の全部、または一部を没収することができないときは、その価額を追徴することができる。
第22条(両罰規定)法人の代表者、法人、または個人の代理人・使用人、その他従業員が、その法人、または個人の業務、または財産に関して、第17条ないし第20条の違反行為を行ったときは、行為者を罰する他に、その法人、または個人に対しても、各該当条の罰金刑を科する。
第23条(違反船舶等に対する司法手続き)(1)検事、または大統領令が定める司法警察官(以下“司法警察官”という)は、この法律、この法律による命令、または制限、若しくは条件に違反した船舶、またはその船舶の船長、その他の違反者に対して、停船・乗船・検索・拿捕など必要な措置を取ることができる。
(2)司法警察官は、第1項の措置を取った場合には、その結果を検事に報告するものの、急速を要してあらかじめ指揮を受けることができない場合を除いては、検事の指揮を受けて第1項の措置を取らなければならない。
(3)検事は、第1項の措置を取った場合、または第2項の規定による報告を受けたときは、船長、その他の違反者に、遅滞なく次の各号の事項を告知しなければならない。ただし、大統領令が定める外国人が行う漁業活動などに対しては、この限りでない。
1.担保金、またはその提供を保証する書類が法務部令に定めるところにより、検事に提出されたときは、船長、その他の違反者を釈放して、船舶、またはその他の押収物は返還されること
2.担保金の額
(4)検事は、第3項の規定により告知された担保金、またはその提供を保証する書類を提出されたときは、遅滞なく船長、その他の違反者を釈放し、押収物を返還しなければならない。
(5)第3項第2号の規定による担保金の額は、大統領令が定める基準によって検事が違反事項の内容、その他の情状を考慮して定める。
第24条(担保金の保管・国庫帰属及び返還等)(1)担保金は、法務部令が定めるところにより、検事がこれを保管する。
(2)担保金は、次の各号の一に該当する場合には大統領令が定めるところにより、指定期日の翌日から起算して1カ月が経過した日に国庫に帰属される。ただし、国庫帰属日の前日までに船長その他の違反者が指定期日の翌日から起算して3カ月が経過する日以前の特定期日に出席または押収物を提出するという趣旨の申請があるときは、この限りでない。
1.船長、その他の違反者が、検事、または法院から出席を要求されても、その指定期日及び場所に出席しない場合
2.船長、その他の違反者が、検事、または法院から返還された押収物の提出を要求されても、その指定期日及び場所に提出しない場合
(3)第2項但し書きの規定により国庫に帰属されなかった担保金は、船長、その他の違反者が、彼が申請した特定期日に出席しなかったり、当該押収物を提出しなかったりしたときは、その翌日に国庫に帰属される。
(4)検事は、第2項または第3項の規定による国庫帰属事由によって、該当担保金が国庫に帰属される前に法院で宣告した罰金額が納付された場合等、法務部令が定める保管を必要としない事由が発生したときは法務部令が定めるところにより、担保金を返還しなければならない。
第25条(違反船舶に関する司法手続き等の細部施行事項)第23条の規定による違反船舶などに関する司法手続きと第24条の規定による担保金の保管・国庫帰属及び返還等の施行に関する必要な手続き、その他の細部的な事項は、関係中央行政機関の長がこれを定めることができる。
第26条(施行令)この法律の施行に関して必要な事項は大統領令で定める。
附則
(1)(施行日)この法律は、公布後1年以内に、大統領令が定める日から施行する。
(2)(第5条ないし第15条の適用に関する特例)大統領令で定める外国人及び水域に関しては、期限を定めて第5条ないし第15条の規定の全部、または一部を適用しないことができる。
附則(1996年8月8日 法律第5153号)
第1条(施行日)この法律は、公布後30日以内に、第41条の改正規定による海洋水産部と海洋警察庁の組織に関する大統領令の施行日から施行する。(第2条ないし第4条省略)
附則(1999年2月5日 法律第5809号)
第1条(施行日)この法律は、公布後6カ月が経過した日から施行する。(第2条ないし第4条省略)
{(1)は原文ではマル1}