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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 北朝鮮によるミサイル発射実験に関する官房長官コメント

[場所] 
[年月日] 1998年8月31日
[出典] 外交青書42号,371頁.
[備考] 
[全文]

1.現時点での諸情報を総合的に分析した結果,31日12時過ぎに北朝鮮東北部から発射された弾道ミサイルは,わが国三陸沖の公海に着弾した可能性がある。

2.わが国としては,北朝鮮による今回の発射を受けて,今回の発射は極めて遺憾であるとの立場を既に31日夕刻の自分の記者会見の場において明らかにしたところである。今般,ミサイルがわが国三陸沖の公海に着弾した可能性が明らかとなったところ,本件ミサイル発射は,わが国の安全保障や北東アジアの平和と安定という観点,更には,大量破壊兵器の拡散防止という観点から,わが国としては極めて遺憾である。わが国のこのような立場をここに改めて明らかにし,厳重抗議の意を表明する。

3.また,わが国船舶,航空機等が多数活動している日本近海で具体的な事前通報なしに行われたことは極めて危険な行為であると考えている。

4.わが国としては,北朝鮮に対し,外務省を通じ,今回の実験実施に対する遺憾の意を直接伝達するべく申し入れを行ったところである。

(注:31日22時(日本時間),北朝鮮国連代表部キム・チャン・グク次席大使に対し行った)