[文書名] 朝鮮中央通信、朝鮮日報統韓研究所データベース
我が共和国を敵視して、あくまで孤立・圧殺しようとする第二期ブッシュ行政府の企図が完全に明らかになった。
数次にわたって言明してきたように、我々は米国に「制度転覆」をねらう敵視政策を放棄して、朝米平和共存へ政策転換をすることに対する正当な要求を提起して、そのようになれば核問題もすべて解決できるという立場を表明したことに従って、第二期ブッシュ政権の政策立案過程を忍耐力をもって注視してきた。
しかし第二期ブッシュ行政府は、我々の正当な要求に最後まで背を向け、大統領就任演説と一般教書演説、国務長官指名承認の議会聴聞会における発言などを通じて、我々とは絶対共存しないということを政策化した。
米国の公式的な政策立場を明らかにした米行政府高位官僚らの発言などを見れば、どこにも我々との共存や対朝鮮政策転換に対することばは一言半句もさがすことができない。
むしろ彼らは「暴圧政治の終息」を最終目標として宣布して、我が国も「暴圧政治の前哨基地」と規定し、必要であれば武力使用も排除しないと、公然と暴言を吐いた。
それとともに彼らは、米国式「自由と民主主義の拡散」を通じて世界をもっぱら米国式価値観に従う同じ型に嵌めようと誓った。
結局、第二期ブッシュ行政府の本心は、第一期の時の対朝鮮孤立・圧殺政策をそのまま踏襲するばかりでなく、さらに強化するということである。
米国は、このように我々の「制度転覆」を目標とした新しい理念対決を宣布しながらも、他方では核問題の「平和的、かつ外交的な解決策」や「六ヵ国協議の再開」を念仏のように唱えながら世界世論を欺瞞しようとしている。
これこそが強盗のようなごり押しの論理であり、謀略と欺瞞の名人としての米国の気質と図々しい両面的立場をそのまま示す一端である。
これまで我々は、米国が我が制度に対してけちを付けず、我々の内政に干渉しなければ、我々も反米をせず、友邦として付き合うとの立場を明らかにして、核問題の解決と朝米関係改善のためにあらゆる努力を傾けてきた。
しかし、米国はこれを我々の弱点だと誤って判断し、我が人民が選択した尊厳高い我が制度に対して冒とくし、恐ろしい内政干渉行為を敢行した。
米国が核問題解決の根本的障碍である敵視政策を撤回せよという我々の要求に背を向けて、我々を敵視したあげく「暴圧政権」だと名指ししながら全面否定に乗り出した条件の下で、米国と会談する名分さえ消えたので、我々はこれ以上六ヵ国協議に参加することができなくなった。
会談の相手を否定しながら、会談に出てこいというのが矛盾的で、理に適わないというのはあまりにも明白ではないか。
会談の相手をいくら無視するといっても程度がある。
米国はいま愚かにも、人民によって選出された我が政府を否定して、人民の側に立っているとするが、そんなに会談がしたかったら米国が気に入るという農民市場の商人や米国が作って置いたとする「脱北者組織」の代表らとしたらどうか。
日本も、米国に追従して、我が共和国に対する敵視政策に執拗にこだわっている。しかも、すでに解決した「拉致問題」に言い掛かりをつけ、ニセ遺骨問題まででっちあげて、朝日平壌宣言を白紙に戻し、国交正常化をしようとしない日本といかにして一堂に会して会談ができようか。
思想と理念、制度と信仰の相違を超越して平和と共存、繁栄を指向して進むのは新しい世紀の時代の流れであり人類の念願である。
いま全世界が、このような時代の流れに逆行するブッシュ行政府こそが極度の人間憎悪思想によって「暴圧政治」を行なう集団であるとして、呪いと非難の声を高めていることは決して偶然ではない。
我々は、ブッシュ行政府が就任して以降去る四年間、できる限り雅量を示し、耐えるだけ耐えてきた。
これから再び四年間を今までのように過ごすことは出来ないし、かと言ってまた振り出しに戻り四年間同じことを繰り返す必要もない。
朝鮮民主主義人民共和国外務省は、米国の対朝鮮敵視政策のため造成された厳しい情勢に対処して、次のように闡明する。
第一に、我々は六ヵ国協議を望んだが、会談参加名分が整って会談の成果が期待できる十分な条件と雰囲気が造成されたと認められる時まで、やむを得ず六ヵ国協議への参加を無期限中断する。
六ヵ国協議の過程が今のように膠着状態に陥ったのは、米国の対朝鮮敵視政策のせいである。
ブッシュ行政府が今回、敵視政策を遙かに超え、会談の相手を「暴政の前哨基地」と烙印を押し、我々を全面否定した条件のもとで、六ヵ国協議に再び臨む如何なる名分もない。
第二に、米国が核のこん棒を振りかざして、我々の制度を何としてもなくそうという企図を明白に露呈した以上、我が人民が選択した思想と制度、自由と民主主義を守るため、核兵器庫を増やすための対策を講じる。
善意には善意で、力には力で対応するのが、先軍政治に従っている我々の気質である。
我々は、既にブッシュ行政府の増大する対朝鮮孤立・圧殺政策に対抗して核拡散防止条約から断固として脱退し、自衛のために核兵器を作った。
我々の核兵器は、あくまでも自衛的核抑止力として残るであろう。
今日の現実は、強力な力によってのみ、正義が守られ、真理が固守できる、ということを示している。
米国の無分別な妄動と敵対的企図が露骨になればなるほど、我々は早くから先軍の旗幟を高く掲げ、千万軍民の一心団結と自衛的国防力をあらゆる面から強化してきたことに対して大きな自負心を感じるだけだ。
対話と協議を通じて問題を解決しようとする我々の原則的立場と、朝鮮半島を非核化しようとする最終目標に変わりはない。
主体九四(二〇〇五)年二月一〇日
朝鮮民主主義人民共和国外務省