データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日韓国交正常化40周年について

[場所] 
[年月日] 2005年12月18日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

1.日韓両国は、本日、国交正常化40周年を迎えた。この機会に、わが国にとり最も重要な二国間関係の一つである日韓両国の友好関係の意義と重みを今一度かみしめたい。

2.40年前の昭和40年(1965年)12月18日、日韓基本関係条約が発効し、両国の国交が正常化した。そこに至る過程には、日韓友好協力関係の発展を真摯に願う、両国の先人達の誠意と努力があった。この40年間に、両国国民間の対話と交流、協力は飛躍的に進展した。国交正常化当時、両国間の人の往来は1年間約1万人であったが、現在では1日1万人を超えるまでになった。最近の「韓流ブーム」は、我が国国民の韓国文化に対する深い関心と理解を象徴的に示すものである。日韓双方の政府と国民は、国交正常化に尽くした先人達の志と努力にあらためて思いを至らせ、両国関係の一層の発展のために力を合わせていくことが重要である。

3.同時に、近代における日韓関係史において、本年が様々な意味での節目の年でもあることを踏まえ、わが国としては、過去をめぐる韓国国民の心情を重く受けとめ、人道的観点から、過去に起因する諸問題に真摯に対応していきたい。そのような努力が重ねられていく過程で、未来志向の日韓関係を構築していくための相互理解と信頼関係が益々強化されることになると信じる。

4.日韓両国は、自由と民主主義という基本的な価値観を共有し、また、共に市場経済を通じて、国民の平和と経済的繁栄を希求する重要な隣国同士として、これまで政治、経済、安全保障を含む様々な側面で相互依存関係を深めてきた。今後とも、東アジアにおける共同体の形成や北朝鮮の核問題の平和的解決をはじめとする様々な共通の課題に共に取り組み、協力と連携を更に重ねていくことが、東アジア地域、ひいては国際社会の安定と繁栄にも資すると考える。

5.また、今年一年を通じて、国交正常化40周年を記念する文化交流事業「日韓友情年2005」が、成功裏に進められてきたことは誠に喜ばしい。両国は、この一年間、文化交流の広汎な分野で相互理解と協力を深めてきた。この実績を大切にし、引き続き「進もう未来へ、一緒に世界へ」を合言葉に、両国関係の更なる発展に向け努力していきたい。