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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 北朝鮮によるミサイル発射に関する国連安全保障理事会の議長声明発出について

[場所] 
[年月日] 2009年4月14日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

1.14日(火曜日)未明(日本時間。ニューヨーク時間13日(月曜日)午後)、国連安全保障理事会が、5日(日曜日)の北朝鮮によるミサイル発射に関する議長声明を発出したことを評価します。

2.今回、我が国を含む関係各国が自制を求めたにもかかわらず、北朝鮮がミサイル発射を強行したことは、我が国を含む近隣国が核やミサイルの脅威に引き続き晒されている中での安全保障上の重大な挑発行為と言わざるを得ず、我が国として容認できるものではありません。このため、我が国は、今回のミサイル発射後直ちに安保理会合の開催を要請し、米韓両国を始めとする関係国と連携しつつ、国際社会が一致した強いメッセージを迅速に発出することを目指し、累次の外相電話会談を始め、あらゆるレベルで外交努力を重ねてきました。11日にはタイのパタヤにおいて、麻生総理及び私が中韓両国の首脳、外相に対し、強く働きかけを行いました。

3.今回発出された議長声明において、安保理は、一致したメッセージとして、北朝鮮によるミサイル発射を安保理決議第1718号違反として非難し、北朝鮮に対して同決議の完全履行を求めるとともに、更なる発射を行わないよう要求し、また、同決議の履行を徹底するための具体的手続を盛り込みました。これは、議長声明としては異例に強い内容であり、今回のミサイル発射で最も深刻な危険に晒された我が国のみならず、北東アジア地域全体の安全保障にとって、重要な意義を有するものです。北朝鮮が今次議長声明を重く受け止め、安保理決議第1718号を完全履行するよう求めます。

4.一方、この議長声明は、同時に、安保理が六者会合を引き続き支持し、その早期の再開を要請し、2005年9月19日の共同声明等の完全な実施のための努力強化を求めることを明記しています。我が国として、六者会合の枠組みを通じ、拉致、核、ミサイルといった北朝鮮をめぐる諸懸念の包括的解決に向けて、引き続き積極的に取り組んでいく考えです。