[文書名] 日韓首脳会談の結果に関する共同プレスリリース
李在明(イ・ジェミョン)大統領夫妻は、2025年8月23日、日本を実務訪問した。同日、石破茂内閣総理大臣は、李在明大統領と首脳会談を行った。
両首脳は、国際社会の様々な課題に対し、パートナーである日韓両国が、未来志向的かつ互恵的な共通利益のため、共に協力していかなければならないという点で認識を共にした。
両首脳は、本年の日韓国交正常化60周年を迎え、1965年の国交正常化以来これまで築かれてきた日韓関係の基盤に基づき、日韓関係を未来志向で安定的に発展させていくことで一致した。
石破総理は、1998年の「21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ共同宣言」を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる旨述べた。
1. 首脳間の交流及び戦略認識の共有の強化
(1)両首脳は、李在明大統領の就任から、約2週間後にカナダにおいて初の日韓首脳会談が開催されたのに続き、約2か月ぶりに日本で日韓首脳会談が再び開催されることにより、両国間のシャトル外交が早期に再開されたことを評価した。
(2)両首脳は、インド太平洋地域を含む域内の戦略環境の変化や近年の新しい経済・通商秩序の下、両国間の戦略的な意思疎通の強化が必要であるとの認識で一致し、安全保障・経済安全保障分野を含む各分野において、首脳及び各レベルでの意思疎通を強化することとした。
2. 未来産業分野における協力拡大と共通の課題への対応
(1)両首脳は、経済・産業分野で両国が互いの強みを土台に協力していく時、より大きなシナジー効果を発揮できるということについて意見を共にし、水素、AIなど、未来産業分野における協力をより一層拡大していくこととした。
(2)両首脳は、少子高齢化、人口減少、地方創生、首都一極集中問題、農業、防災など、両国が共通して直面している社会問題に共に対応していく必要性に一致し、互いの政策経験を共有し共同で解決策を模索していくための当局間協議体の立上げで一致した。
3. 人的交流の拡大
(1)両首脳は、日韓の若者たちが互いの文化・社会を体験及び理解できるより多くの機会を提供することにより、未来志向の日韓関係の土台を強化していこうということで意見が一致し、日韓ワーキング・ホリデーの参加回数上限を既存の生涯1回から2回に拡大することとした。
(2)両首脳は、両国関係の肯定的な基調の下で本年6月に行われた日韓両国の優先の入国審査レーンの運用を歓迎した。その上で、今後も日韓国交正常化60周年を記念する様々な交流事業を後押ししていくことを含め、両国間の交流・相互理解を促進するためのより友好的な環境を醸成していくこととした。
4. 朝鮮半島の平和と北朝鮮問題の協力
(1)両首脳は、朝鮮半島の完全な非核化及び恒久的な平和構築に対する確固たる意志を再確認し、対北朝鮮政策において両国間の協力を続けていくことで一致した。
(2)両首脳は、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応して日米韓協力を土台に安保理の対北朝鮮制裁決議が忠実に履行されるよう国際社会との協力を続けていくべきことを確認した。また、北朝鮮の違法なサイバー活動や、露朝軍事協力の強化に共に対処する必要性を強調した。同時に、対話と外交を通じた北朝鮮の核・ミサイル問題の平和的解決の重要性を強調した。
(3)両首脳は、拉致問題の解決に向けた取組の重要性に一致した。
5. 域内及びグローバル協力の強化
(1)両首脳は、急変する国際情勢の中で、揺るぎない日韓、日米韓協力を推進していくことが何よりも重要だという点に一致し、日韓関係の発展が日米韓協力の強化にもつながる好循環を引き続き作っていくこととした。
(2)両首脳は、国際社会の各種課題へ対応していく上で両国が重要な協力パートナーであることを再確認し、本年10月に韓国・慶州で開催されるAPEC首脳会議、日本で開催される日韓中サミットの成功裏の開催に向けて、互いに協力していくこととした。
(了)