データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] OAPEC(アラブ石油輸出国機構)石油大臣会議コミュニケ

[場所] クウェイト
[年月日] 1973年10月17日
[出典] 外交青書18号,171−172頁.
[備考] 
[全文]

 (前略)

 本日,10月17日クウェイト市に会したアラブ石油大臣は,各アラブ産油国が(1973年)9月の生産レベルの5%を越えない範囲でその石油生産を直ちに削減することを決定した。このような削減は,前月の生産を基準にして,以後毎月同じ割合で行われ1967年6月戦争の間に占領した全アラブ領土からイスラエル軍が全面撤退し,更にパレスチナ人の合法的権利が回復するまで続けられるであろう。

 加盟国は,生産削減がアラブに有効的かつ物質的支援を与え,あるいは将来与えてくれるかもしれない友好国に対しいかなる影響も与えないよう削減以前受けていたと同じ量をこれらの友好国に供給するであろう。同じような例外的措置は,強奪されたアラブ領土の占領を終らせるためイスラエルに対して重大な措置をとる国に対しても与えられるであろう。

 アラブ石油大臣は,世界の全人民,特にアメリカ人民に対して,イスラエル帝国主義とその占領に対するアラブ人民の闘いを支持するよう訴えるものであり,また,世界の人民と全面的に協力するというアラブ諸国の真摯なる希望と,世界がわれわれに同情を示し,われわれに対する侵略を非難するならば,全ての犠牲をかえり見ず,必要な石油を世界に供給する用意があることを強調するものである。