データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] イスラエル占領地域に関する外務省情報文化局長談

[場所] 
[年月日] 1973年12月13日
[出典] 外交青書18号,116−117頁.
[備考] 
[全文]

 現在エジプト・イスラエル間の101キロ地点の軍事会談が中断され,エジプト・イスラエル戦線及びシリア・イスラエル戦線の緊張が高まり,戦争再開の可能性も排除できない状況は,きわめて憂慮に耐えない。中東に和平をもたらすために第一になすべきことは,イスラエル軍が直ちに,少なくともジュネーブ会議の初期の段階において,国連安保理決議339および340に従つて10月22日の停戦決議の効力の発生の時点において占めていた位置にもどることであると考える。われわれとしてはこの撤退をイスラエルに強く訴える。この撤退が1967年の戦争以来イスラエルが占領しているすべてのアラブの領土からのイスラエルの撤退の第一歩となるべきであると考える。