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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 「戦略的パートナーシップ」の強化に関する日本国とモンゴル国との共同声明

[場所] 東京
[年月日] 2013年9月13日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

 安倍晋三日本国内閣総理大臣と,日本国政府の招待で日本国を公式訪問中のノロブ・アルタンホヤグ・モンゴル国首相は,2013年9月13日に会談し,会談の成果として以下の共同声明を発出した。

1 日本国及びモンゴル国(以下「両国」という。)の首脳は,両国関係が,1972年に外交関係を樹立して以来,以下の段階を経て成功裏に発展してきたことに,満足の意を表明した。

(1)両国首脳は,モンゴル国が民主主義・市場経済に移行した1990年以降,両国関係が,人権,民主主義及び市場経済といった共通の価値観に基づき,順調に拡大し発展していることを強調した。

(2)両国首脳は,両国が互いに努力した結果,2007年に策定した「今後10年間の日本モンゴル基本行動計画」が当初想定した期限を待たずに成功裏に実現したことに満足の意を表明し,2010年のエルベグドルジ・モンゴル国大統領の訪日に際し,両国が一致した「戦略的パートナーシップ」を,今後強化させることが両国の新たな共通外交目標になることを確認した。

(3)両国首脳は,2013年3月に安倍総理がモンゴル国を訪問した際に表明された両国関係の基礎にある自由・民主,平和及び助け合いの精神の意義に言及し,この精神に基づき両国関係を更に強化し発展させていきたいとの希望を有していることを再確認するとともに,平和と繁栄を実現するための国際社会の努力を支持し,協力していくことを表明した。また,安倍総理が提案した両国の活力ある経済を実現するための「エルチ・イニシアティブ」が成功裏に実施されていることを強調した。

2 今回のアルタンホヤグ首相訪日に際し,両国政府は,両国間の「戦略的パートナーシップ」を更に強化するべく,互恵的かつ相互補完的な二国間関係を強化・発展させることを目的として,「戦略的パートナーシップのための日本・モンゴル中期行動計画」を策定した。両国首脳は,この計画を2013年から2017年までの間に実施することで一致した。 

3 両国政府は,「中期行動計画」の実施に当たり,以下の具体的目標を実現する。

(1)政治・安全保障分野

 ア 多層的で戦略的な対話を実施し,政治的信頼関係を高いレベルで維持し,相互理解及び相互信頼を強化する。

 イ アジア太平洋地域及び世界の平和と安定の確保と強化に貢献するため,安全保障及び防衛分野での協力を発展させる。

 ウ 共通の価値観を有する地域の重要なパートナーとして地域及び国際場裡における相互の支持及び協力を深化させる。

(2)経済分野

 ア 「エルチ・イニシアティブ」で示された案件を着実に実行し,投資・ビジネス環境の整備と,モンゴル国の持続可能な経済発展への協力を深化・拡充させる。

 イ 二国間貿易及び投資を飛躍的に拡大させ,経済関係を新たな段階に発展させるべく経済連携協定交渉を精力的に進め早期に妥結させる。

(3)文化・人的交流分野

両国国民の相互理解の促進,相互信頼の醸成のため,文化交流を着実に発展させ,人的往来のための良好な環境を整備し,関係を拡大する。

東京にて 2013年9月13日

日本国内閣総理大臣

モンゴル国首相