[文書名] 日豪基本条約署名式における三木内閣総理大臣の挨拶
日豪両国政府間で交渉が行われてきた日豪友好協力基本条約が、本日ここにつつがなく署名を了しましたことは、誠に同慶に耐えません。
御承知のように日豪関係は、両国経済の相互依存性を基礎として大きく発展し、日本は豪州を必要とし、豪州は日本を必要とする関係になっております。また、両国は、ともにアジア・太平洋地域の先進民主主義国家として、同地域の安定と発展について共通の強い関心と共通の重い責任とを有しております。
本条約は、日豪両国の政府及び国民が、長期的展望に立って、経済、貿易のみならず、政治、文化、社会等幅広い分野において、子々孫々にわたり、相互の理解を更に深め友好協力関係を更に拡大強化して行くための確固たる基礎を築こうとするものであり、両国関係の新時代を画する歴史的な意義を持つものであると考えます。
この歴史的条約の署名に当たり、私は今後とも一そうの努力を傾けて条約の精神と意義とを全うすることを誓うものであります。