[文書名] 日豪戦略的サイバー・パートナーシップ
1 包摂的で強じんな自由で開かれたインド太平洋の実現において主導的な役割を果たすため、安全保障協力に関する日豪共同宣言及び「2+2」閣僚枠組みの下でのコミットメントに基づき、日本国政府及びオーストラリア政府(以下「両当事者」という。)は、日豪戦略的サイバー・「パートナーシップ(以下「戦略的パートナーシップ」という。)を通じて、サイバー安全保障上の課題のあらゆる側面における両国の協力の強化及び促進にコミットする。
2 両当事者は、両国の政府間及び民間部門との間で、サイバー防御及びサイバーレジリエンスを強化するとともに、サイバー脅威、重要技術及びサイバー対応のガバナンスの仕組みに関する共通認識及び協力を向上させるために協働する。
(射程)
3 両当事者は、自由、公正かつ安全なサイバー空間の構築にコミットする。両当事者は、国連憲章全体を含む既存の国際法がサイバー空間における国家の行動に適用されること並びに平和、安全及び安定を維持するために不可欠であることを再確認する。
4 両当事者は、既存の国際法及び自発的かつ非拘束的な責任ある国家の行動規範がサイバー空間でどのように適用されるかについての共通認識を深める上でグローバルなリーダーシップを示すこと並びに他のパートナーと協力してサイバーレジリエンス及び安全なデジタル連結性を構築するために地域のパートナーを支援することに対するコミットメントをここに確認する。
5 両当事者は、両国の主権及び地域の安全保障上の利益に影響を及ぼし得るサイバー関連の緊急者態に関して、可能な場合、相互に協議し、対応措置を検討する。
6 戦略的パートナーシップは、二国間協力のために以下の柱を定める。
a. サイバー脅威の全体像をより広く把握すべく情報共有を強化することにより、サイバー防御を強化する。両当事者は、国家並びにサイバー犯罪及びその代理を含む非国家主体の双方を抑止し対応するため、アトリビューション及び技術アドバイザリーを含め、悪意あるサイバー主体にコストを課すための様々な措置に関するより緊密な協力を引き続き発展させる。両当事者は、サイバー安全保障及び重要インフラのレジリエンスに関連するそれぞれの法、政策及び運用に関する継続的な取組を支援するために知見を共有する。
b. インド太平洋地域におけるサイバー安全保障に関する能力構築の取組を日米豪印等を通じて強化及び調整することにより、強じんな地域を構築しグローバルなリーダーシップを発揮する。両当事者は、インド太平洋地域全体で信頼できる安全で強じんなインフラを推進し、インターネット及びデジタル・「エコシステムが自由で、開かれ、安全で、相互運用可能で、信頼性が高く、マルチステークホルダーであり続けることを確保するため、インターネット・ガバナンスについて緊密に連携する。
c. 産業界のサイバーレジリエンス及びサイバー対応能力を向上させるため、両国の政府と産業界との間での情報共有を定期化して強化することにより、官民パートナーシップを強化する。両当事者は、ランサムウェア及びサイバー犯罪のみならず特に重要インフラについても、政府と産業界との更なる連携を促進する環境を確保するために協働する。
d. AIは、より高度なサイバー攻撃を可能にするものであると同時にサイバー脅威への対応能力を高めるものでもあり、速度及び規模を強化してサイバー環境に変化をもたらすことを認識し、人工知能(AI)に関連するものを含む重要技術のセキュリティに関する連携を強化する。両当事者は、ゼロトラスト原則及びセキュアバイデザイン原則に整合的な形で、重要技術によりもたらされる増大する機会と課題に対応するために更なる協力にコミットする。
(ガバナンス)
7 戦略的パートナーシップは、サイバー協力を全ての範囲で進展させるため、日豪サイバー政策協議(「以下サイバー協議」という。)を通じて管理される。サバー協議は、日本外務省サイバー政策担事大使及びオーストラリア外務貿易省サイバー問題・重要技術担事大使が共同議長を務め、関連する政策的関心を有するその他の省庁及び部局の参加を得る。