データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ファクトシート:ニューデリーにおける日米豪印外相会合

[場所] 
[年月日] 2026年5月26日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

 豪州、インド及び日本の外務大臣並びに米国の国務長官は、2026年5月26日、第11回日米豪印外相会合のため、インド・ニューデリーに集まった。

 各国の外務大臣及び国務長官は、自由で開かれたインド太平洋の推進のため、4か国及びパートナーとの協力の下で実施された最近及び今後予定されている活動を歓迎した。各国の外務大臣及び国務長官は、地域全体における海洋・越境安全保障、経済的繁栄・経済安全保障及び重要・新興技術の強化並びに人道支援・緊急対応の支援に係る主要な新たなイニシアティブを発表した。

海洋・越境安全保障

i. 日米豪印パートナーは、インド太平洋における海洋監視能力を活用し、情報共有及び海洋状況把握能力を強化するため、当初はインド洋地域に焦点を当て、対象分野の専門家の交流及び机上演習を通じて取り組むことを視野に、史上初のインド太平洋海洋監視協力(IPMSC)イニシアティブを立ち上げた。

ii. 日米豪印パートナーは、海洋状況把握のためのインド太平洋パートナーシップ(IPMDA)の一環として、取組を拡大した。日米豪印諸国は、包括的な共通作戦図(COP)の構築を進めている。IPMDAイニシアティブは、インド太平洋海域におけるリアルタイムの情報を活用することにより、インド太平洋における海洋状況把握を強化し、地域全体に裨益するものである。

iii. 地域全体における不法な海洋活動に効果的に対処するために相互運用性及び知識共有を強化すべく、インドが次回の日米豪印シップオブザーバー・ミッションを主催する。

iv. インドは、2025年9月、テロ目的での無人航空機(UAV)又はドローンの使用への対処及びテロリストによる新興技術の悪用防止に焦点を当てた2つの日米豪印テロ対策ワークショップを主催した。日米豪印パートナーは、2026年6月、豪州において、国家支援型テロの脅威及び無人航空機に焦点を当てた日米豪印テロ対策机上演習を開催する。

経済的繁栄・経済安全保障

v. 日米豪印パートナーは、採掘、加工及びリサイクルを含む重要鉱物サプライチェーンの強化に向けた経済政策ツールの活用及び投資連携の指針となる新たな日米豪印重要鉱物イニシアティブ枠組みを発表することを喜ばしく思う。

vi. 日米豪印パートナーは、地域のエネルギーの強じん化を支援するため、「インド太平洋エネルギー安全保障に関する日米豪印イニシアティブ」を発表することを喜ばしく思う。各国は、それぞれのエネルギー部門が有する独自の資源及び能力を活用する。このイニシアティブを通じ、日米豪印パートナーは、技術、管理、政策、国際市場分析及び緊急対応演習において協力分野を特定すべく取り組む。

vii. 日米豪印は、2025年10月にインドで開催された日米豪印港湾の未来パートナーシップ会議を受け、主要なインド太平洋回廊の港湾インフラ及び能力を向上させることで、貿易及び経済的繁栄を増大させるために支援可能な重要な港湾プロジェクトを特定することにコミットした。そのため、日米豪印諸国は、フィジー政府と共に、同国における港湾インフラ及び関連活動の推進に取り組むことを発表できることを誇りに思う。

viii. 日米豪印は、インフラ、海洋及びSTEM分野における人材スキル開発を強化するため、長年にわたり様々なフェローシップ・プログラムを支援してきた。今後も、インド太平洋全域の繁栄及び国家安全保障を促進する機会を引き続き模索する。

ix. 海底ケーブル・ネットワークに対するリスクが高まる中、日米豪印パートナーは、インド太平洋における強じんな連結性の拡大及び確保に向けたコミットメントを実現している。この観点から、日米豪印パートナーは、全ての太平洋諸島フォーラム加盟国が2026年までに海底ケーブルで連結され、デジタルの未来を確保できるよう、具体的な支援を提供してきた。

x.日米豪印パートナーは、インド太平洋におけるエネルギー技術サプライチェーン全体に重要な資金及び技術支援を提供しており、これらの取組の総額は2500万ドルを超える。

重要・新興技術

xi. 日米豪印パートナーは、2026年2月に信頼できるサプライヤーが成功裏に選定された、パラオとの日米豪印オープン無線アクセス・ネットワーク(オープンRAN)協力における進展を歓迎する。これは、パラオの安全な4G及び5G接続へのアクセスを強化し、同国のデジタル・サプライチェーン強じん性に貢献する。

xii. 日米豪印パートナーは、次世代通信標準に関する協力を行う意図を有する。このプロジェクトは、電気通信及びオープンRANの技術標準における協力の促進に焦点を当て、主として6G標準の発展に焦点を当てるものである。

xiii. 日米豪印諸国は、国境を越えた相互運用性を強化するために技術的な「翻訳ガイド」を作成すべく、デジタル・アイデンティティ標準に関するワークショップを開催することで一致した。このプロジェクトは、日米豪印諸国及びその民間部門の企業の双方が、それぞれのデジタル・アイデンティティ標準の実装に関する共通の認識の下で円滑に運用できることを確保することを目的とする。

xiv. 次世代農業に活力を与えるためのイノベーションの推進(AI-ENGAGE)イニシアティブの下、日米豪印パートナーは、6件の国際研究プロジェクトに対して総額600万ドルを超える助成金を発表してきた。これらの研究プロジェクトは、技術革新を活用し、収穫量の向上、害虫管理及び食料安全保障に向けた農業従事者向けツールにつながるものである。日米豪印は、このイニシアティブを通じ、人工知能、ロボット工学及びセンサー技術を活用し、農業を変革し、インド太平洋全域の農業従事者を支援することにコミットしている。

人道支援・緊急対応

xv. 日米豪印パートナーは、感染症の流行を始めとする公衆衛生上の危機への対応の強化に向け、インド太平洋における医療従事者への研修を行うとともに、人々や地域に裨益するツールを提供している。これらの取組は、全体で5000万ドルを超えるものとなっている。

xvi. 2025年にホノルルで開催された机上演習(TTX)及び戦略ワーキンググループ会合は、日米豪印の災害対応能力を大幅に向上させるとともに、インド太平洋の人々のための信頼できる効果的な人命救助支援に対する日米豪印のコミットメントを強調した。