[文書名] ニコライ一世のプチャーチン提督宛訓令(抜粋)
1853年2月24日皇帝署名
1853年2月27日第730号
国境問題に直ちに取り掛かるとの考えは、根拠のあるものと思われる。なぜなら、このことを通じ、我々はいわば日本人が我々と交渉に入ることを余儀なくさせ得るからである。他の場合であれば、彼らは自らの慣習により直ちにこれを回避し、否定的な回答を出すであろうが、国境を明確にしたいとの我々の要望は、彼らにとり拒絶し難いものである。正にこの問題を用いることで、我々は日本政府から一層の譲歩を引き出すことが出来る。
この国境問題に関する我々の要望は、(我々の利益を損なわない範囲で)可能な限り寛大なものであるべきである。なぜなら、通商上の利益というもう一つの目的の達成こそが、我々にとり真の重要性を持つからである。クリル諸島の内、ロシアに属する最南端はウルップ島であり、同島をロシア領の南方における終点と述べて構わない。これにより(今日既に事実上そうであるように)我が方は同島の南端が日本との国境となり、日本側は択捉島の北端が国境となる。