[文書名] 日ソ国交正常化問題に関するドムニツキー書簡
ソ連邦は、対日関係正常化の熱望に促され、周知のごとく、終始一貫して両国関係の調整を唱えてきた。日・ソ関係正常化の用意ある旨の意思表示は、なかんずく周知の一九五四年十月十二日付の中ソ共同宣言及び十二月十六日のソ連邦外務大臣ヴィ・エム・モロトフ氏の声明中に行われている。
鳩山総理大臣が最近の声明中において、日・ソ関係の解決に賛意を表していることも世間に知られている。日・ソ関係正常化の希望は、また重光外務大臣によつて、一九五四年十二月十一日の声明及びその後の諸声明において表明されている。
このような情勢を考慮に入れて、ソヴィエト側は、日・ソ関係の正常化のため執りうべき措置について、意見の交換を行うことが事宜に適するものと信ずる次第である。
ソヴィエト側は、モスクワ又は東京のいずれかにおいて行われうべき交渉のため代表者を任命する用意あり、この点についての日本側の意向を承知したいと考えるものである。