[文書名] 日ソ航空協定(航空業務に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定),交換公文(航空業務に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の議定書に基づく交換公文)
(ソ連邦側書簡)
(訳文)
書簡をもつて啓上いたします。本大臣は、ソヴィエト社会主義共和国連邦政府の委任により、本日署名された航空業務に関するソヴィエト社会主義共和国連邦政府と日本国政府との間の協定(以下「協定」という。)の議定書1の規定に基づいて両国政府の間に次の合意が達成されたことを確認する光栄を有します。
1 ソヴィエト社会主義共和国連邦政府及び日本国政府は、それぞれの国内法令及び2から4までの規定に従うことを条件として、アエロフロート及び日本航空株式会社がモスクワと東京との間(両方向)において国際航空業務を共同して運営することを認めるものとする。
2(1) 1にいう国際航空業務は、アエロフロート及び日本航空株式会社が共同してソヴィエト社会主義共和国連邦民間航空省から操縦室乗組員付きで賃借りする航空機により行なわれるものとする。その航空機は、国際航空運送において通常適用されるすべての技術的及び商業的な要件を満足させるものでなければならず、また、その機体にはアエロフロート及び日本航空株式会社の標識が掲げられているものでなければならない。
(2) その航空機についての貸借料は、アエロフロート及び日本航空株式会社にとつて十分採算のとれるよう設定されるものとする。
3 1にいう国際航空業務を運営するための技術的及び商業的な事項は、ソヴィエト社会主義共和国連邦及び日本国の航空当局の承認を受けるアエロフロートと日本航空株式会社との間の商業上の取極において定められる。その商業上の取極は、有効期間は一年とするものとし、アエロフロートと日本航空株式会社との間の合意により、その期間を延長し及びその内容を修正することができる。
前記の商業上の取極は、特に、次に掲げる要件を満たすものでなければならない。
(1)2に定める航空機の運航がアエロフロート及び日本航空株式会社により共同して行なわれること。
(2)ソヴィエト社会主義共和国連邦の領域内におけるすべての地上取扱業務はアエロフロートにより、日本国の領域内におけるすべての地上取扱業務は日本航空株式会社により確保されること。
(3)操縦室乗組員には日本航空株式会社の乗組員を加えることができること、客室乗組員がアエロフロート及び日本航空株式会社により提供される乗組員によつて構成されること並びにこれらの乗組員についての業務要領がアエロフロー卜と日本航空株式会社との間の合意によつて定められること。
(4)特定勘定がアエロフロー卜及び日本航空株式会社により設けられ、並びに経費及び収入が両者の間で合意される原則に従つて配分されること。
4 1にいう国際航空業務は、次に掲げる了解の下に、協定に定める条件に従つて行なわれる。
(1)協定にいう「一方の締約国の指定航空企業の航空機」又は「他方の締約国の指定航空企業の航空機」とは2に定める航空機をさすものと了解される。
(2)協定第七条2に規定する臨時の飛行は1にいう国際航空業務に含まれるものと了解される。
5 ソヴィエト社会主義共和国連邦政府及び日本国政府は、1にいう国際航空業務と同様の航空業務について第三国との間に取極を行なわないものとする。
6 いずれか一方の政府は、3に定める商業上の取極の有効期間の満了の一箇月前に、事前通告を行なうことにより、この交換公文の効力を停止することができる。
閣下が前記の合意を日本国政府に代わつて確認されれば幸いであります。
本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。
千九百六十六年一月二十一日に
モスクワで
ソヴィエト社会主義共和国連邦民間航空大臣
エ・エフ・ロギノフ
日本国外務大臣 椎名悦三郎閣下
(日本側書簡)
書簡をもつて啓上いたします。本大臣は、日本国政府の委任により、次のことを本大臣に通報された本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(ソ連邦側書簡)
本大臣は、前記の閣下の書簡における合意を日本国政府に代わつて確認いたします。
本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。
千九百六十六年一月二十一日に
モスクワで
日本国外務大臣 椎名悦三郎
ソヴィエト社会主義共和国連邦民間航空大臣
エ・エフ・ロギノフ閣下