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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ソヴィエト連邦漁業大臣ア・ア・イシコフの日本国訪問に関する共同コミュニケ

[場所] 
[年月日] 1966年6月28日
[出典] 外交青書11号,13−14頁.
[備考] 
[全文]

 ソヴィエト連邦漁業大臣ア・ア・イシコフは、日本国政府の招待により、一九六六年六月一九日から二九日まで、日本国を公式訪問した。

 イシコフ漁業大臣は、東京、札幌、根室、京都及びその他の地を訪問した。

 イシコフ漁業大臣は、日本国に滞在中、佐藤総理大臣と会見した。

 イシコフ漁業大臣は、椎名外務大臣、坂田農林大臣、赤城前農林大臣と一連の会談を行なった。

 相互理解の雰囲気のうちに行なわれた会談を通じて、日ソ両国が共通の関心を有する漁業に関連する一連の問題について有益な意見の交換が行なわれ、双方は漁業の分野における良好な協力関係が近年著しく拡大され、かつ多面的なものとなり、日ソ関係の強化に寄与していることを満足の念をもって認めた。

 会談に際して北方諸島周辺水域における操業の問題、海難救助協定の運用の改善、一九五六年の北西太平洋における漁業に関する条約の今後の運用の問題、漁業及び水産物加工の分野における学術及び技術協力の発展並びにその他の問題がとりあげられた。

 日本側は北方諸島周辺水域全般における日本人漁夫による操業についての問題を提起した。これに対してソ側は、日本側の希望にそい、双方の間で合意されるところにより、貝殻島地区における日本の漁船による操業水域を拡大するための計画を、最も近い将来、具体的に検討する用意がある旨述べた。

 双方は、また海上において遭難した人の救助のための協力に関するソ連邦と日本国との間の協定の若干の事項の改善に関し、近い将来検討し、具体的措置を執ることに合意した。

 双方は漁業条約がさけ・ます漁業の秩序の維持に貢献しており、その効力を存続させることが合目的的であることにつき意見の一致をみ、この問題に関して近い将来話し合いを行なうことを合意した。

 双方は、今次会談において取り上げられた問題のうち、合意をみなかったものについては、今後引続きその解決のため双方が協議を行なうべきことを合意した。

 日ソ間の漁業の分野における学術及び技術協力について、双方は、協定案に合意しこれに仮調印した。

 双方は日ソ間の善隣関係強化のために、漁業の分野における協力を今後とも促進する用意ある旨を表明した。