[文書名] ソ連・チェコ・コミュニケについての外務省情報文化局長談話
日本国政府は,8月22日付の木村官房長官談話において,ソ連邦およびその同盟国が即刻,かつ,無条件にその軍事介入を中止し,チェッコスロヴァキアの独立と主権の尊重の立場に立って平和的友好的解決の方途を講ずることを切望するものである旨主張した。
かかる日本政府の主張および国際世論のもとに,今般モスクワ会談という形で,ソ連・チェコ間に一応,話し合いができたことは安堵の感を与えるものである。
しかしながら,同時に,日本国政府としては,この話し合いが事実上軍事介入の圧力の下に行なわれたという事実は,これを看過することはできず,内政不干渉と主権尊重を対外政策の基調として,世界平和を維持せんとする国際社会の原則に照らし,これを遺憾とするものである。
日本国政府としては,ソ連およびその同盟国が,他国の主権の尊重,民族自決等の国連憲章にかかげられている基本的諸原則を厳格に遵守することを,この際あらためて強く要望するものである。