[文書名] 日本国代表団とソヴィエト社会主義共和国連邦代表団との間の航空交渉について
1969年10月28日から11月5日までモスクワにおいて,日本国代表団とソヴィエト社会主義共和国連邦代表団との間で,シベリア上空を経由して行なう両国指定航空企業による自主運航の実施に関する交渉が行なわれた。
日本側からは,在ソ連邦日本国特命全権公使大和田渉ほかが,ソビエト社会主義共和国連邦側からは,ソ連邦民間航空省渉外局長ア・ヴェ・ベセディンほかがこの交渉に参加した。
交渉は友好的ふんい気のうちに行なわれ,両国代表団にとつて満足すべき成果が得られた。
この交渉により次のことが両国代表団の間で取り決められた。
1.日本航空株式会社とアエロフロートは,1970年3月28日から,それぞれ自主運航を開始する。
2.日本航空株式会社とアエロフロートにより当面運航される路線は,次のとおりとする。
東京〜モスクワ〜パリ(両方向)
東京〜モスクワ〜ロンドン(両方向)
3.前記路線ごとに運航される便数は,当分の間,日ソ双方とも,それぞれ週2便とする。この運航に使用される航空機は,日本航空株式会社については,ダグラスDC−8,アエロフロートについては,イリューシンIL−62とする。
4.日本航空株式会社とアエロフロートは,自主運航の開始に当り,商務上の取決めを行なうこととする。
5.両国の航空当局は,自主運航の開始に必要な措置をとるものとする。
これらの取決めに関連して,技術上の諸問題について両国の航空当局間に合意が成立したほか,日本航空株式会社とアエロフロートの間の商務上の取決めの基本についても合意がみられた。