データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日ソ共同発表(1975年1月17日)

[場所] 
[年月日] 1975年1月17日
[出典] 内閣府
[備考] 
[全文]

 宮沢喜一日本国外務大臣は、ソ連邦政府の招待により、1975年1月

15日から17日までソヴィエト連邦を公式訪問した。

 宮沢喜一外務大臣は、エヌ・ヴェ・ポドゴルヌイ・ソ連邦共産党中央委員会政治局員兼ソ連邦最高会議幹部会議長と会見した。

 宮沢喜一外務大臣とア・ア・グロムイコ・ソ連邦共産党中央委員会政治局員兼外務大臣との間において、1973年10月にモスクワで達成された合意に基づき日ソ平和条約の締結に関する交渉が継続され、また、日ソ間の諸問題及び双方が関心を有する若干の国際問題についても有益な意見の交換が行われた。

 双方は、日ソ関係が近年順調に進展してきたことに満足の意を表明し、特に、1973年10月の田中角栄日本国総理大臣のソ連邦訪問以来、両国間の交流が各種の分野において一層進展したことを指摘した。

 双方は、また、日本国とソ連邦の間の貿易・経済協力の発展に対し満足の意を表明した。

 平和条約締結交渉において、双方は、1973年10月10日付日・ソ共同声明の当該部分に表明されている合意に基づく諸問題を討議した。

 双方は、両国関係を恒久的な安定した基礎の上に発展させるためには平和条約を早期に締結することが望ましいと考える。双方は、この問題について引き続き交渉を行うことに合意した。

 双方は、両国の最高首脳者の間に間断なき対話を維持することが、両国関係の一層の発展に大きく貢献することを強調した。

 宮沢喜一日本国外務大臣は、日本国政府の名において日本国を公式訪問するようにとのア・ア・グロムイコ・ソ連邦外務大臣に対する招待を確認した。ア・ア・グロムイコ・ソ連邦外務大臣は、招待に対し感謝の意を表明した。

 1975年に訪問を実現することにつき合意が達成された。訪問の正確な日取りは合意によって決められるものとする。

 双方は、宮沢喜一日本国外務大臣のソ連邦訪問の際に行われた会談及び交渉が有益であり、友好的かつ率直な雰囲気の下に行われたことを満足をもって指摘した。双方は、これらの会談及び交渉が日本国とソヴィエト連邦との間の善隣関係の一層の発展を促進するであろうとの確信を表明した。