データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日ソ共同発表

[場所] 東京
[年月日] 1976年1月13日
[出典] 外交青書20号,102−103頁.
[備考] 
[全文]

 ア・ア・グロムイコ・ソ連邦共産党中央委員会政治局員兼外務大臣は,日本国政府の招待により1967年1月9日から13日まで日本国を公式訪問した。

 ア・ア・グロムイコ外務大臣は,天皇陛下から謁見を賜わつた。

 ア・ア・グロムイコ外務大臣は,三木武夫日本国総理大臣と会見した。

 宮澤喜一日本国外務大臣とア・ア・グロムイコ外務大臣との間で,平和条約の締結に関する交渉が継続された。

 定期協議において,日ソ間の諸問題及び双方が関心を有する若干の国際問題について意見交換が行われた。

 双方は,近年における日ソ関係の発展に対し満足の意を表明し,1973年10月10日付の日ソ共同声明において定められた基本的諸原則を確認した。双方は,今後とも日ソ関係の発展に努力する旨の意向を表明した。

 平和条約締結交渉において,双方は,田中総理大臣のソ連邦訪問に際して採択された1973年10月10日付日ソ共同声明の当該部分,すなわち,「双方は,第2次大戦の時からの未解決の諸問題を解決して平和条約を締結することが両国間の真の善隣友好関係の確立に寄与することを認識し,平和条約の内容に関する諸問題について交渉した。双方は,1974年の適当な時期に両国間で平和条約の締結交渉を継続することに合意した。」との規定に基づき,平和条約の内容に関する諸問題について交渉した。双方は,同条約を早期に締結するため交渉を継続することに合意した。

 双方は,日本国とソ連邦との間の貿易・経済協力が円滑に発展していることを指摘し,互恵平等に基づくその一層の拡大を促進するとの意向を表明した。

 両大臣は,1972年1月27日付の日本国とソ連邦との間の文化交流に関する交換公文の有効期間の延長に関する書簡を交換した。両大臣は,両国間の文化交流を更に一層円滑に発展させるため,文化協定締結に関する交渉を開始することに合意した。

 ア・ア・グロムイコ外務大臣は,宮澤喜一外務大臣に対し,平和条約の締結に関する交渉の継続及び定期協議のため,1976年にソ連邦を公式訪問するよう招待した。この招待は,謝意をもつて受諾された。訪問の具体的時期は追つて合意される。

 双方は,ア・ア・グロムイコ外務大臣の日本国訪問の際に行われた交渉及び会談が友好的雰囲気の下に行われ,双方にとり有益であつたことを指摘した。